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のこぎり

by 唐草 [2017/09/24]



 今日は、自宅の植栽の枝を切ろうと気合いを入れて脚立の上に立った。
 我が家の通りに面した側には5本の細い木が植えられている。5本も木があると書くとさながら豪邸のような雰囲気がある。だが、実際はウナギの寝床のような細い庭に直径15cmにも満たないひょろっとした木が植わっているに過ぎない。枝が地面に刺さっているという表現の方が適切なイメージを想起できることだろう。
 木は細く頼りないのだが、なぜか異様に活きが良い。水もやっていないし、栄養もあたえていないのに光合成だけでぐんぐん伸びていく。大気中の二酸化炭素が枝葉になっていることを考えると我が家の木だけでも地球温暖化に対して大きく貢献しているように思えてくるほどの成長速度である。この木が無かったらシロクマはもう絶滅していたかもしれない。
 枝葉の伸びはすさまじく、放っておくとあっと言う間に我が家はジャングルのようになってしまう。だから、年2回は脚立に跨りのこぎりを振り回して枝打ちをしているのである。
 今日は、午前中からのこぎりを片手に枝と格闘していた。
 ただ、結果から言えばぼくの惨敗だった。
 夏の間、キーボードの前に座っているだけだったので体中の筋肉が失われてしまったようだ。肩より上に腕を上げることが久々に感じられる程に体がなまっていた。
 そんな状態では、のこぎりを使うこともままならない。直径5cmぐらいのちょっと太い枝を2本切り落とした時点で、息は上がりきって肩で呼吸するような状態になっていた。
 太目の枝を低い位置で切り落としたので、かなりの量を伐採した気分になっていた。事実、アスファルトの道路の上に転がる枝は、大人が抱えて運ぶ必要があるほどの量だった。
 ところが、光を求め天に向かって伸びる我が家の木を眺めても何の変化も感じられない。どこを切ったのかすら分からないし、切ったことが信じられないほどに枝葉の密度は高いままである。
 今の貧相なぼくでは、自宅の木に対抗することは無理なようだ。でも、諦めない。来週ものこぎり片手に頑張る。