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Gを感じる

by 唐草 [2017/10/11]



 自転車で連続カーブを走り抜けたときにのことだ。久しぶりにGが抜けるのを感じた。
 体を右に方向けながら最初のカーブに突入。次のカーブに備えてハンドルを左に切りながら体の重心を移動させる一瞬、遠心力と慣性が釣り合い、それまで体にかかっていた荷重がフワッと抜ける。ジェットコースターが落下を始める瞬間のような浮遊感が体に伝わってくる。
 この感覚は、ぼくに懐かしさを覚えさせた。久々に感じたGの抜ける瞬間。ジェットコースターと違って恐怖心はない。むしろ自転車と体が一体化しているような、いわば人馬一体というような強いつながりを感じる。それは、自転車を自分の足のように扱えているという満足感に繋がるものである。
 本当に久々の感覚だ。前は、しょっちゅう感じていたように思えるのに。
 なぜ、久しいと感じたのだろう?
 自転車が変わったからだろうか?20年以上乗っていた愛車だったから一体感を感じられていたのだろうか?つまり、今乗っているクロスバイクの細いタイヤが信用していないのか?
 それとも、ここのところ速度を出していないのだろうか?スピードメーターを付けていないので何キロぐらいで走っているかよく分からない。運動不足と加齢で体がなまっているので鮮やかに自転車を操れなくなったのだろうか?はたまた安全運転に対する意識が高まって、連続カーブで一時停止するようになったのだろうか?
 自転車や体調などとは一切関係なく、乗る道のりが変わったので連続カーブに接する機会が減っただけなのだろうか?
 原因がよく分からない。どれも正解な気もするし、見当違いにも思えてくる。
 ぼくにとって自転車は、ただの移動手段ではなくて、楽しみの一部だと言うことを再認識した。断っておくが、スリルを求めているのではない。機械との一体感を求めているのだ。