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考えてはいけないこと

by 唐草 [2017/11/09]



 人間が、平穏に生きていく上で考えてはいけないことがあると思う。
 人が生きている意味だとかそういう哲学的な話はない。もっと身近なスケールの話だ。今日は考えてはいけないことずっと考えてしまっていたが故に、もどかしい1日を過ごすハメになってしまった。
 ぼくが考える人間が平穏に生きていく上で考えてはいけないことは、3つある。
 それは、まばたきの回数、呼吸のペース、そして舌の位置の3つである。これらのことを少しでも考えてしまうと、途端に自分が自分でないような違和感に襲われることになる。
 まばたきの回数を考えてしまうと、今したまばたきが本来無意識で行っていた反射的なものだったのか、そうではなくて意識して閉じたのかがドンドン分からなくなっていく。同じように普段の呼吸のペースを考えるとどんなペースで息をしていたかが分からなくなっていく。舌の位置も考えるとどこが自然な位置なのだか自信が無くなってくる。常時前歯の裏に舌が当たっているのは正常なことなのだろうか?
 考えれば考えるほど何が正常なのかが分からなくなっていく。そして考えるのを止めようとしても、すでに意識が強くなりすぎているのでなかなか考えるのを止められなくなってしまう。そして、ドンドンドツボにはまっていくのである。
 昨日、舌を思いっきり噛んで流血したので舌先がずっと痛かった。たぶん、軽く腫れているのだろう。舌先を冷たいクリップで挟まれているような不快感がずっとある。そのせいで、舌が口の中のどこかにぶつかる度に自分の体の一部ではない何かが口の中にあるような感覚になる。
 その度に舌のあるべき位置についてあれこれ考えてしまう。舌をどんな位置に動かしても、落ち着かない。噛んでしまった傷のせいなのか?それともあるべき位置でない場所に舌が来ているせいなのだろうか?もうなにも分からない。自分の口の中のことだというのに。
 意識して舌を動かしまくっていたせいで、舌の付け根の筋肉が痛くなっている。やはり、舌のことは考えてはいけないと痛感した。