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換気扇を洗う

by 唐草 [2017/11/19]



 ふと、換気扇のファンを長らく洗っていないことに気が付いてしまった。ファンが汚れまくって油が垂れているとか、埃が付きすぎて異音がしているとかそう言う顕著な問題は発生していない。だから、洗っていない事実を無視してそのまま放置しても別段問題は無い。ところが、1度気が付いてしまうとキッチンで恐ろしく汚い物が回転しているようにしか思えなくなってしまう。気が付いてしまった以上、掃除をした方が精神的にも良さそうだ。
 と言うことで、ファンを外して掃除を始めた。
 我が家の換気扇は、昨年のリフォームを期に最新型へと変貌を遂げた。よくある昔ながらの扇風機の羽根が壁に付いているようなモデルではない。金属製の小さな羽根がたくさん付いたドラム状の重いファンが、排気ユニットの奥で回転して排気を行っている。パッと目には、ファンがないようにさえ見える。
 それに最新型の換気扇なのでファンに油が付きにくい機構になっている。台所から上がった蒸気は、金属製の冷却版の上を通過してファンへと向かう。大半の油は冷却版の上で冷え固まっていく。だから、冷却版だけ掃除しておけばファンはそう簡単には汚れないというカラクリらしい。
 とは言うもの、すべての油が冷却版に付着するわけではない。事実、取り出したドラム状のファンは金属製と言うよりも布製としか思えない状態になっていた。
 すべてのファンを油と埃の混合物が覆い尽くしているのでどう見てもフェルト製のファンにしか見えない。洗剤を付けた布で力強く拭くとフェルト状の汚れが土塊のように剥がれ落ちて、その下からようやく灰色の金属板が顔を覗かせる。
 本来、こう言うファンを掃除するときは洗剤溶液をたっぷり作って浸け置き洗いをするのがセオリーだろう。でも、思いつきで始めた掃除なのでそんなものは無い。根気強く1枚1枚ファンを拭いていくしかない。いったい、このドラムには何枚のファンが付いているのだろう。24枚までは数えていたが、そこから先は面倒なので止めてしまった。
 1時間近くかけて丹念に重いファンを磨き上げていった。終わった頃には腕がプルプルしていた。きれいになったファンを装着して試運転をするも、掃除前となにも変わった感じはない。せっかく時間をかけて丁寧に掃除をしたんだから、もっと劇的な変化を感じたかった。