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倫理学者とファットマン

by 唐草 [2018/01/02]



 「トロッコ問題」という倫理観を考える思考実験を聞いたことはあるだろうか?以下のような問題である。
 
「無人のトロッコが急斜面の線路を猛スピードで降りてくるのが目に入った。
 トロッコがこのまま暴走を続けると、山の下で路線工事をしている5人を確実に轢き殺してしまう。
 もし、あなたの脇にある線路のポイントを切り替えれば、トロッコは別の路線に進むことになる。
 そうすれば、作業をしている5人は助かる。しかし、切り替えた先にいる別の1人が犠牲になってしまう。
 このような状況で、あなたはポイントを切り替えるべきか?」
 
 こんな感じである。5人を救うために1人を犠牲にするべきか否か。様々な考え方があるし、答はひとつではない。考えることが重要な問題なのである。ぼくの答は、ポイントを半分だけ切り替えてトロッコを脱線させるというものである。だが、こういうトンチは思考を放棄したとみなされてしまう。
 思考実験として考案されたトロッコ問題であるが、自動車の自動運転技術が確立しつつある今、再び注目されているらしい。5人を救うためにAIは1人を殺す判断をするべきかという現実的な問題に直面しているそうだ。ぼくには、答が分からない(2度目の思考放棄)。
 さて、トロッコ問題には派生したバージョンがいくつかある。
 有名どころは、ポイントの切り替えではなく、デブを線路上に突き落として電車を止めるという派生バージョンである。ポイントの切り替えという機械を操作するだけの行為ではなく、明確に自分の手で犠牲者を選ばなくてはならないシチュエーションでも同じ判断ができるのかを考えるバーションである。この設定だと、オリジナル板でポイントを切り替えると宣言した人でもデブを落とすことを躊躇する傾向が強いらしい。自分の手は汚したくないからね。
 デブを落とすバーションは、さらに派生がある。それが、洞窟探検の問題。
 
「あなたは、5人のチームで地下洞窟を探検しています。
 ところが、洞窟内で鉄砲水が発生して急遽地上に引き返す事になりました。
 洞窟の出口にたどり着いたとき新たな問題が発生しました。
 一番に出口を通り抜けようとしたデブが、出口に挟まってしまい身動きが取れなくなりました。
 このままでは、全員が溺死してしまいます。
 さて、あなたは自分と仲間3人を助けるために、挟まったデブを手持ちのダイナマイトで爆破して退路を確保することはできますか?」
 
 という問題である。
 思考実験としては優秀なのかもしれないが、設定がどうみてもコメディーである。初めてこの問題を見たときは大いに笑ってしまった。なんで洞窟に入れたのに出られないんだよ!誰もがこう突っ込みたくなるだろう。この洞窟問題にも派生版がある。
 挟まったデブが、洞窟の外を見ているバージョンと洞窟の内側、つまり自分たちを見つめているバージョンがある。顔を見ながら犠牲を強いることができるのかということを問うているらしい。でも、ぼくにはコメディーにしか思えない。なんで脱出しようと出口を目指していた人が、洞窟の中を向いたまま挟まっているんだよ。後ろ向きに逃げようとしていたのか!?その姿を想像すると笑いを堪えることができない。だって、誰よりも早く後ろ向きに走っていった人が出口に挟まっているんだよ。前見て走れと突っ込まずにはいられない。
 人の価値観や命の重さを考えるための思考実験はいくつもある。その中でも有名なトロッコ問題とその派生系。なんで、いずれのバージョンでもこんなにもデブがひどい目にあわされているのだろう?倫理学者は、デブが嫌いなのか?命の重さよりも前に考えるべき命題があるように思えてならない。

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