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人生最長の予感

by 唐草 [2018/01/05]



 今朝のぼくは、たぶん人生で一番髪が長かったと思う。髪が伸びてくると毛先が目に入って疲れ目になりやすくなる。だから髪の長さを測っているわけでもないけれど、だいたい同じぐらいの長さで髪を切りに行っていた。でも、この冬はタイミングを逸していた。髪が十分に延びた結果、毛先が目よりも下になっていた。ここまで伸びると毛先が目に入ることは無い。ぼく自身が髪が伸びていることを意識する基準を超過してしまっていたので、髪が野放図に伸びていることを自覚できなくなっていた。
 改めて自分の髪を見たら、気持ち悪いほど伸びていた。後ろ髪は余裕で結べるほどである。器用な人なら小さな三つ編みを編むことすらできたかもしれない。前髪は目を隠すに十分な長さがあった。ここまで伸びると左右に髪を分けるよりも、七三分けのような髪型の方が毛髪をコントロールしやすいという新たな事実を発見することができた。おもしろがって七三分けを楽しんだりもしていた。
 ぼく自身は、いまだかつて見たことのない自分の髪の毛の長さを楽しんでいた。でも、第三者から見ればただの「髪の毛に無頓着な気持ち悪いヤツ」でしかなかっただろう。「ウザイ」の一言で切り捨てる以外の選択肢が無かったに違いあるまい。
 そう言えば自分が写った鏡を直視することを避けていた。わずかにカールしたぼくの髪の毛は、襟の辺りでタコの足先のように様々な方向を向いている。本当はぼく自身も薄々気が付いていた。今の自分は、相当ウザイ髪型だということに。
 でも、このウザイヘアスタイルに似たものをどこかで見たことがあるような気がしてならなかった。どこで見たのだろうかと考えていて、意外な答にたどり着いた。
 たぶん1970年代ぐらいの男性アイドルのような感じなのだ。先日見た古いドラマで見て、心底気持ち悪いと思った髪型にそっくりだったのだ。
 狙ってやればレトロ感が出るのかもしれないが、そんなオシャレさは微塵も持ち合わせていない。どこから見ても、時代錯誤な気持ち悪い男でしかない。
 と言う訳で、3ヶ月分ぐらいの髪をバッサリサッパリ切ってきた。これで少しはマシになったはず。