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揺れる土曜日

by 唐草 [2018/01/06]



 午前1時ちょっと前に地震があった。大きな揺れではなかった。でも、寝ようと横になっていたところだったので震度以上に大きな揺れに感じた。久々に緊急地震速報を聞いたばかりだったので、すこし過敏になっていたのかもしれない。揺れのせいで、すっかり目がさえてしまった。
 でも、気が付けば朝になっていた。どうも、なんだかんだでぐっすり熟睡していたようだ。
 午後、自室でゲームをしていたら揺れを感じた。またしても地震か。なんだか小さいのが続いている感じがする。
 どこでどれほどの地震が起きたのだろうか。確認のためにネットを見たのだが、関東地方が揺れた情報はどこにもなかった。
 あの揺れは、気のせいだったのだろうか?寝しなの揺れの記憶が、まだ神経を過敏にしているのだろうか?そんなことは完全に忘れて熟睡したつもりなんだけれどなぁ。
 確かに揺れた気がするのだが、地震に関する情報は一切ない。揺れているのは、ぼくの心だけ。なんだかキツネにつままれたような落ち着かない気分である。
 しばらくしたら、また揺れた。今度は絶対に揺れている。さっきの揺れも勘違いじゃないはずだ。
 慌てて手元のタブレットで地震情報を確認するが、またしても空振り。なんの情報も掲載されていなかった。情報が更新される前にアクセスしてしまったのかもしれないと思ってしばらく待ってみたが、やはり更新は無かった。
 いったいなんなんだ、この揺れは?揺れが気になってゲームに集中できないので、コンビニまで買い物に出ることにした。
 家から出て少し歩いた時のことだった。唐突に揺れの正体が目の前に現れた。
 先日伐採された桜の畑で、巨大な爪を付けたパワーショベルが乱暴に切り株を引き抜いていた。重機が根を引きちぎる振動が、まるで地震のように我が家へと伝わってきていたのだ。地震じゃなくて一安心だったけれど、日に日に畑だった頃の面影を失っていく様子を目にするのはなんとも寂しい限りである。