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違いの分からない男

by 唐草 [2018/01/13]



 カップに乗せて使うドリップコーヒー、いわゆるドリップパックのセットをいただいた。インスタントと同様の手軽さで、挽きたての味わいが楽しめる便利なやつだ。ただ、ちょっと割高なので自分で買うことはまずない。豆を挽くことに抵抗のない、それどころか豆を挽くのが好きなぼくにとっては、ギフトでもなければまず手にすることのない商品である。
 いただいたセットには、4つの味が入っていた。なんともギフトらしい商品構成である。ラベルを確認すると、モカ、キリマンジャロ、コロンビア、そしてコーヒー鑑定士となっていた。コーヒー鑑定士味ってなんだよ!?と思ったが、コーヒー鑑定士が選んだ豆をブレンドしたものだとパッケージに書かれていた。要するに正体不明のブレンドコーヒーということ。言葉のマジックでただのブレンドコーヒーが、高価なものに見えてしまうから不思議だ。
 それぞれのパックに、苦味、酸味、コクの3つの値が5段階のグラフで示されている。酸味重視だったり、コク重視だったりと銘柄ごとに特徴があるそうだ。
 ここ何日かかけて4つの味を飲んでみた。
 確かに何かが違うような気もするが、同時に飲み比べでもしない限り何がどう違うのかを説明することはできない。ブレンドが一番苦味が強いように感じたが、パッケージに書かれたグラフの印象に引っ張られているだけかもしれない。「昨日飲んだのと同じキリマンジャロだよ」と言ってブレンドを渡されても、「キリマンジャロは、いつでもおいしいね」と言ってしまうことだろう。
 ぼくの舌では、コーヒーの味を分類することはできないようだ。ぼくは、違いの分からない男。