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朝の鳥の正体は

by 唐草 [2018/03/02]



 ここ数日、鳥の鳴き声で目を覚ましている。
 このフレーズだけならメルヘン的だ。小鳥のさえずりで目覚めるとそこは午前中の優しい光が斜めに注ぐ優雅な湖畔のホテル。そんな情景がまぶたに浮かんでも不思議は無い。
 だが、現実は違う。
 優雅なさえずりとはほど遠い鳴き声である。むしろ喧嘩をしているのかと思うほどに甲高いこともある。チュンチュンというスズメの声ではない。もう少し大きな鳥の鳴き声である。カラスやハトでもない。数羽の正体不明の鳥数羽が、ぼくのベッドのすぐ側の窓の外でギャピギャピ大騒ぎしているのだ。その不快さで目が覚めている。
 しかも、鳴き交わすだけではない。狭い窓枠に着地を試みているのか、網戸に激突しているとしか思えない衝突音さえ聞こえてくる。そして、大慌てで羽ばたく忙しない羽根音もする。またうまく着地できても、窓枠は金属である。鳥の足の爪が金属を引っ掻く不快な音が鳴り響く。鳥自身は、この引っ掻き音が不快ではないのだろうか?
 ぼくは、すべての音が不快である。起きる気がなければ目覚ましの音の中でさえ眠り続けるぼくが目覚めるほどに騒がしいのである。
 いったい何の鳥が、何をしようとしているのか?
 今日は目覚めると同時に勢いよく窓を開けて鳥の姿を確認した。勢いよく窓を開けたので、もちろん鳥たちは矢のような速さで散っていった。でも、それで十分である。大きさと何となくの模様が分かれば十分である。
 ぼくの安眠を妨害していたのは、オレンジ色のくちばしがアクセントであるムクドリたちであった。我が家の餌場にやってきている鳥ではない。じゃあ、ぼくの部屋のすぐ外でムクドリたちは何をしようとしているんだろう?シーズン的に巣でも作ろうとしているのだろうか?留まるのがやっとの窓枠に巣を作ることなんて絶対無理だと思うんだけどなぁ。
 明日も来て、ぼくの安眠を妨げるのだろうか?