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行って良かった?

by 唐草 [2018/03/23]



 毎年恒例の話題である。今年で5年目かな?いや、6年目かもしれない。何回目なのかよく分からないが、とにかく毎年恒例の行事がやってきた。
 大学で行われる非常勤講師向けのガイダンスである。
 各学部からの諸注意と事務からの連絡を聞くだけの会合である。大学と契約した非常勤講師が一同に会するというレアな機会ではあるのだが、他の先生と交流を深めるようなことはない。そもそもなんの授業を担当しているかも知らないし、名前だって知らない。大学側が個別に説明する手間を省くために集められているだけなのである。
 今年は出席するかどうかかなり迷っていた。基本的に毎年同じ話を聞くだけである。もっとも毎年出席が必要なほどに目まぐるしく規約や大学のルールが変更されたら堪ったものではないけれど。
 片道1時間ぐらい、ガイダンスの時間も1時間ぐらい。合計3時間ぐらいの時間を取られることになる。一応会議扱いになるので雀の涙ほどの給与は出る。行って損は無いのだが、結末の分かっているつまらない映画を見せられるような退屈さを味わうことになる。会議費と退屈さを天秤にかけて、ぼくの心は揺れ動いていた。
 結論から言うと、行くことにした。家でゴロゴロしているよりも、退屈さに我慢してお金をもらえる方がいい。書かなくてはならない作文も暗礁に乗り上げて進まなくなっていたので、気分転換の外出も兼ねていた。
 ガイダンスの内容は、ほぼ予想通りだった。ぼくの前に座った年輩の先生なんて居眠りをしてペンを床に落として自分で驚いていた。普段は人の話を寝ずに聞けって怒る側だって、実は居眠りをしたりする。この姿を学生に見せたやりたいものだ。
 ガイダンスで得るものは少なかったが、収穫が0だった訳ではない。私大の募集定員変更の影響で今年の入学生の偏差値がけっこう上がったという興味深い情報もあった。これはいい情報だ。個人を見るのであれば偏差値なんてたいした意味は無いが、集団としてみた場合には顕著な差があるのもまた事実。レベルの高い学生の方が、授業をしていて楽しい。自分自身の楽しみのために授業をしているぼくにとって、偏差値アップの知らせはまたとない吉報なのである。