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午前5時半の戦い

by 唐草 [2018/04/12]



 先日、ムクドリのけたたましい鳴き声で起こされることがあるということを書いた。その後も、ムクドリは何度もぼくの部屋の雨戸に留まってにぎやかにしていた。その度に家の中にいる猫たちが色めき立って大変な事になっていた。
 でも、それだって今日起きたことに比べればかわいいものだったのである。
 バババババと雨戸を叩く音がした。ぼくはこの音の正体を知っている。そう、ムクドリだ。ムクドリは、着地がヘタなのか、それとも狭いところに無理矢理着地しようとしているせいかは分からないが、我が家に飛来する度に遠慮なく雨戸を翼で叩くのだ。聞き慣れたはずの音だが、今朝の音は何かが違った。
 ぼくを午前5時半に起こすほどの大音量だったのだ。いつもよりずっと羽が雨戸を打つ音が音が大きいし、鳴き声も耳をつんざくように鋭かった。ただのにぎやかな鳥では済まされない必死さが感じられた。しかも、音は雨戸の戸袋の中からする。
 ひょっとして、戸袋の中に入りこんでしまって出られなくなっているのではないか?救出した方がいいのかもしれない。
 でも、救出は容易ではない。
 ガラス窓1枚を隔てた我が家の中では、鳥の気配に大興奮した2匹の猫が待ち構えている。もし、窓を開けたら血の大惨劇である。
 まずは猫を部屋から追い出す必要がある。興奮している猫を無理矢理抱えて部屋の外に出す。1匹を出してもう1匹を抱えたとき、先に出した猫は既に窓辺に戻っていた。ワープしているのではないかと思うほどの早業である。個別に対応していたら埒があかない。ゲームによくある左右同時に押さないと動作しないカラクリのように迅速に対応する必要がある。左右の手で1匹ずつの猫を掴むと部屋の外に放り出した。でも、出しただけだと猫手で扉を開けて部屋に入ってくる。素早くつっかえ棒をおいて、部屋をロックした。
 これでいよいよ鳥に対応できる。ぼくが猫と格闘している間も、鳥は大騒ぎし続けていた。
 窓を開けると窓辺にいた1羽のムクドリが勢いよく飛んでいった。鮮やかなオレンジ色のくちばしが残像に残るほどの素早さである。だが、戸袋の中の音は止まない。戸袋の中に手を突っ込むべきか、それともライトで照らすべきか?最適な対処法が分からず逡巡してしまう。
 最終的にぼくは相手の状態が分からないのでライトで照らすという安全で臆病な選択をした。
 すると、戸袋の中から2羽のムクドリが雨戸に羽を叩きつけながらも弾丸のようにとび出していった。そして、ムクドリが去った戸袋の中には、大量の枯れ草や枝が散乱していた。巣を作ろうとしていたようだ。
 鳥が去って、ようやくいつも通りの朝が戻ってきた。3羽の鳥がいたので、どうも巣の取り合いをしていたようだ。まったく、朝一で大騒ぎである。部屋を出ると、そこには大いに不満そうな猫たちがいた。

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