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ぼくを起こすのは

by 唐草 [2018/04/27]



 一足先にゴールデンウィークに突入した。ゴールデンウィーク初日の予定は、惰眠である。昨日慣れないスーツを着た疲れ(主にメンタル)を癒すべく、お昼ぐらいまで寝るつもりだった。
 遮光カーテンを閉め切ったうす暗い自室に奇妙な音が響く。プシューというような、何らかの圧が抜けるような音である。なんの音だろう?すごくよく聞く音のようにも思えるが、寝ぼけた頭では判断が付かない。音源は近いようである。窓を閉め切っているのによく聞こえているので、たぶん自室で発生した音に違いない。
 左目だけを半開きにして時計を見ると8時を指していた。もっと寝かせてくれ。音の正体はよく分からなかったが、危険を連想するものでは無かったのでそのまま眠りについた。
 だが、数分後にまたしてもプシューという音がぼくを起こした。
 なんなんだこの音は。空気が抜けるようにも聞こえるし、回転していた物が止まるようにも聞こえる。そんな音を立てるものがぼくの部屋にはあっただろうか?でも、何度も聞いたことのある音にしか思えない。しばらくしたら、また同じ音が聞こえた。
 寝ぼけ眼で部屋を見渡す。ぼくの部屋は、電気を消してカーテンを閉め切っても闇に包まれることはない。机の周囲に積むように置かれたPCやモニター、ゲーム機などの電源のLEDが様々な色を輝かせている。
 Mac Proの白い電源LEDが、ひときわ明るく見えた。白い光で暗い部屋を照らしているようだ。
 おかしい。Mac Proはスリープすると電源LEDが心臓の鼓動のリズムで明滅を繰り返す。今みたいに光りっぱなしになることはない。絶対におかしい。
 その事実に気が付いた瞬間、ぼくは音の正体を理解した。
 プシューという音は、Mac Proをスリープに入れた時にファンが止まる音だ。つまり、机の上のMac Proは、何度も何度もスリープに移行しようとしていたのだ。
 寝る前には確かにスリープになっていたMac Pro。トラックボールの位置が不自然に動いている様子からすると猫が機器に触れてスリープを解除してしまったようだ。その後、オートスリープに移行しようとするも失敗を続けていて、定期的にプシューという緊張感のない音を立てていたのだろう。
 不正ログインを試みた我が家のスーパーハッカーネコが犯人である。そのせいで、ぼくもMac Proもともに眠れなくなっていた。
 手動でスリープに入れて、Mac Proを寝かしつけた。そして、ぼくも夢の世界へと戻っていった。
 でも、なんでスリープ移行に失敗していたのだろう?あと、スリープに入り損ねていたのにモニターが点かなかったのはなんでだろう?なんか、新たな問題が発生した予感があるが、Zzz…。