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時計の電源は

by 唐草 [2018/05/20]



 先日のEXPOでノベルティーのデジタル時計をもらった。展示してある姿は高級そうに見えたのだが、家に帰って箱から出してみたら何ともプラスチック感にあふれたチープな時計だった。きれいなのはフロントパネルだけだったのだ。これは実に示唆的なノベルティーである。重要なのは表面の見た目だけであって、中身や裏側なんかは隠せば十分だ。こう言う企業理念が形となったノベルティーなのであろう。確かに、その会社の製品の見た目はとても良さそうに見えた。でも、使ってみたら…?
 とは言え、鏡面仕上げの表面の見た目がいいことは事実だ。時計としての機能に問題も無いだろうから、自室で使うことにした。
 時計が入っていた箱にはUSBケーブルが同梱されていた。USB給電という仕様が、なんとも現代的だ。PCから電源を取ってもいいし、スマホの充電器から電源を取ることもできる。いつの間にかUSBはコンセントの役割まで果たすようになっている。
 でも、USB給電の時計ってなんだか不安である。PCにつなぐとシャットダウンする度に時間がリセットされてしまいそうだ。スマホの充電器から電源を取ると、スマホが充電できなくなってしまう。あれ、ひょっとして全然使えないんじゃないか、この時計?
 結局、時計としての最低限の機能さえ持ち合わせない見た目だけの製品なのか?そう思い始めた矢先、新たな選択肢の存在に気が付いた。
 普通に電池で動いたのだ。むしろ、USB給電がオマケだったようだ。これなら安心だ。
 だがその安心は、時計背面の電池ボックスを開けるまでの数秒間しか保たなかった。
 要求された電池サイズは、単4。しかも、3本。USB給電で動く仕様なので、動作電圧が5V付近に設計されているのだろう。その電圧を確保するには、乾電池だと3本必要になる。持ってないよ単4電池3本なんて。
 と言う訳でこの見た目だけの時計は、ぼくの部屋で活躍できる見込みがまったくないことが確認された。綺麗にプチプチで包み直して、そっと箱に戻されるのであった。