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目覚まし時計を買いに

by 唐草 [2018/05/25]



 先日もらったフロントパネルの見た目だけしか取り得のないチープなデジタル時計は、自室ではなく職場で使うことにした。これで時計が無駄にならずに済んだ。だが、その選択のおかげで自室の時計が無い状態が継続することとなった。どう考えても、家族間で早起きの日が被らないからといって目覚まし時計をシェアして使っているのは不自然である。
 と言う訳で、今日は新たな時計を買おうと街まで出た。
 ぼくが求めているのは、卓上に置けるサイズの時計だ。主な用途は目覚まし時計。スマホのアラームも使っているが、複数台の目覚ましをしかけないと二度寝の誘惑に負けるリスクが高いので目覚まし時計が欠かせない。電池切れやなどへのリスクヘッジも兼ねている。
 購入したい時計のイメージは固まっている。時間の表示は、デジタルではなく長針と短針による表示が望ましい。現在時刻が何時何分何秒であるかを正確に知る必要はあまりない。それよりも、あと何分で家を出る時間だとかを相対的に時間を確認したい。そういう使い方だと精緻なデジタル表示よりも針によるアナログ表示の方が勝手がいい。また、部屋の雰囲気に合わせたいのでモダンでクールな趣の時計がいい。
 頭の中におぼろげながら時計の姿を浮かべながら店を訪れた。
 大型生活雑貨チェーン店を2軒ほど回ったのだが、そのどちらでも時計売り場の小ささに驚くことになった。置き時計のコーナーなんて幅1mぐらいの小さなスペースしかない。並んでいる商品もデジタルが中心だ。アナログ時計もわずかに置かれているが、丸い時計の上にベルが2つ乗っている絵に描いたようなオールドでかわいい感じの時計ばかり。ぼくのイメージする時計に合致するものは置かれていなかった。
 スマホが生活に浸透したことで様々な機器が存在意義を失ってきた。ウォークマンなどの携帯音楽プレーヤーや小型のデジカメなんかは、完全に市場を喰われてしまった。気が付けば、時計も市場を喰われ始めているのだろう。ファッションアイテムの一部でもある腕時計でさえ苦戦しているそうだ。ましてや、置き時計なんて時代遅れのインテリア雑貨でしかないのかもしれない。
 と言う訳で、失意のまま手ぶらで店を後にすることとなった。