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山ほど食べる

by 唐草 [2018/06/09]



 久しぶりにパクチーを食べる会が開催された。前回が1月だったので、半年ぶりで今年2回目の開催である。
 会の趣旨は実に簡単である。パクチー好きが集まって、心ゆくまでパクチーを食べるだけである。巷ではパクチーを流行らせようとしていたようだが、あんなにも味と香りの強い香味野菜は好き嫌いが分かれてしまうもの。一般化するのは絶対に無理だと確信している。ここ最近で消費量が急増したのは、ぼくらのような一部のパクチー好きが際限なく食べ続けるからに他ならない。その食欲は底知れず、もはや害虫並みである。
 なお、日本の一部のパクチー好きは異常らしい。本場のタイの方々も呆れているレベルで食べているとか。「薬味を美味しそうに喰ってるんじゃねぇよ」と思っているそうだ。逆の立場に置き換えると嬉しそうにネギ一本丸かじりしている外国人を見るようなものなのかもしれない。キモイな。
 今日も大量にパクチーを摂取することを目的にパクチー鍋を注文した。直径30cmぐらいの大きなセイロに山盛りになったパクチーが運ばれてきた。目にするのは2度目だが、いつみても迫力満点だ。SNS映えする盛りつけに店員も苦労していることだろう。他のテーブルからも視線が注がれているのがよく分かる。ただしその視線が、羨望なのか、はたまた呆れなのかは考えない方が良さそうだ。
 しゃぶしゃぶのように湯がいて食べていく。食べても食べても山が小さくならない。それなのに追加でさらなるパクチーを頼んで自ら山を大きくしてしまう。今になって考えると、もはや奇行の域に達しているとしか思えない食性である。
 最終的にすべて食べきった。流石に食べ過ぎて満腹の先にある何かが見えたような気がしたが、巨大なパクチーの山を制圧した満足感の方が上回っていた。
 それにしても、定期的にパクチーを摂取したくなるぼくらは、もはや中毒なのかもしれない。近い将来、パクチーの高い依存性に関して警告が発せられても何の不思議もない。無論、警告が出されたとしても食べるのを止めるつもりは、まったくない。