カレンダー

2017/08
  
  
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

風のピタゴラ装置

by 唐草 [2018/07/10]



 暑い!窓を開けていても熱風しか吹き込んでこない。クーラーがなかったら確実に熱中症になってしまう。
 我が家でもクーラーが絶賛稼働中である。100年先の未来の地球の心配をするより明日の我が身の方が遥かに大切である。
 クーラーとは本来設置された部屋を冷やす装置である。ぼくの自室に設置された満身創痍のクーラー(リモコン故障&フロントパネル大破)だって、6畳間の小さな部屋を冷やすために設置されたものである。
 だが、自由気ままなネコたちが闊歩する我が家では、杓子定規なことを言っている余裕は無い。基本的にネコはクーラーがキライな生き物である。クーラーをつけると勝手に扉を開けて出て行ってしまう。そして、暑くてもお気に入りの場所に陣取ってしまう。
 ハッキリ言ってバカである。けれどもネコに「熱中症に気をつけて」と説得することもできない。
 ぼくがワガママなネコのためにできることは、自室だけでなく家中を冷却することだけである。でも、すべての部屋に冷房が設置されているわけではない。
 その結果、現在の我が家は理想的な省エネとはかけ離れた状況にある。冷房の付いた部屋の扉を全開にして、風を廊下に流している。しかし、ただ扉を開けるだけでは、冷たい風は床付近に溜まるだけである。
 そこで活躍しているのが、2台の扇風機である。自室のクーラーの吹き出し口の下に扇風機が設置されている。しかも、廊下の方に向けられた扇風機である。この扇風機が、クーラーの風を効率良く廊下へと流していく。そして廊下に流れた冷たい空気をもう1台の扇風機がさらに別方向へと流していく。2台の扇風機の連携でクーラーのないサーバ部屋まで冷たい空気を運んでいるのだ。これでどの部屋も完全に閉め切っているものの30度ちょっとを保てている。闇雲に窓を開けているよりはまだ多少なりとも涼しい。なによりネコが動き回っても扉が全開なのでイライラしない。
 冷たい風を複数の装置を組み合わせて運んでいる様は、さながらピタゴラ装置のような複雑系である。残念なのは、流れる風が目に見えないこと。風が見えたらもっと色々試して見たいんだけどなぁ。