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元祖絵文字

by 唐草 [2018/07/27]



 夏を快適に過ごすために手ぬぐいは欠かせないアイテムである。文字通り手を拭うために使うことももちろんあるが、用途はそれだけではない。保冷剤を首に巻く時に重宝しているし、自転車のヘルメットを被る際に頭に巻いたりもしている。とにかく縛って使うことが多いのだ。
 そんな使い方をしていると負荷のかかる部分からどんどん布が傷んでいく。どの手ぬぐいもいつも同じ場所に穴が開いてダメになってしまう。
 愛用している茄子小紋の手ぬぐいも、ちょうど真ん中あたりに穴が開いてしまった。まだ使おうと思えば使えるが、あと何度か洗ったら確実に裂けてしまうだろう。そろそろ新しい手ぬぐいを買わなくてはならない。
 ぼくは、手ぬぐいにはちょっとこだわりがある。変な柄の手ぬぐいを使うこともあるけれど、できる限り伝統紋様の手ぬぐいを使うように心がけている。受け継がれてきたアノニマスデザインのテキスタイルパターンを身の回りで使いたいという思いがあるからだ。そんな訳で、手ぬぐいを買う時だけちょっとアクティブになる。100均とかでも買えるけれど、そう言うところではまず買わない。しっかりと『かまわぬ』とかに足を運ぶことにしている。
 「かまわぬ」とひらがなで書いたが、本当の屋号はひらがなで書かれてはいない。今日の記事の画像のように書かれる。鎌の絵に輪っかの絵。そして最後に「ぬ」の文字。江戸的なダジャレである。
 ふと思った。この表記って、今で言う絵文字なのではないかと。
 絵文字というと携帯が生まれてからの若者文化という印象が強い。事実、絵文字は若者と若いフリをしたいオッサン世代に大人気である。
 だが、歴史を丁寧に紐解いてみれば江戸時代には「かまわぬ」のよう絵と文字を組み合わせたものがあった訳だ。その後、活字の発展などで一時的に途絶えていたものがデジタル表現の幅が広がったことによって復活したとも考えられないだろうか?
 絵文字という表現が日本から生まれたのは、江戸時代生まれのけっこう古い伝統がぼくらの根底にあったからなのかもしれない。