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カロリーの取り方

by 唐草 [2018/09/20]



 ぼくは、友人らに「ハムスター」呼ばわりされている。見た目がハムスターのように丸っこく愛らしいからでも、食べ物で頬が膨れるほどの食欲を発揮しているからでもない。むしろその逆だ。食が細く小さな齧歯目と同じぐらいの量しか食べないから「ハムスター」と呼ばれている。もしかしたら彼らは、心のどこかでぼくのことを「部屋の隅っこがお似合いだ」と思っている可能性は否定できないし、事実ぼくは部屋の隅っこが好きだ。
 確かに、ぼくは酒の席などで豪快に飲み食いするタイプではない。バイキングに形式の食事だと確実に損をする。ただ、それでも成人男性がそれなりに健康に生きていくのに必要なカロリーはちゃんと摂取している。
 一度に食べる量が少ないのに十分なカロリーを摂取する方法は、大きく分けて2つある。
 1つは、何度も食べる戦略。朝昼晩の3回に限らず、腹がへるたびに時間など期にせずチマチマと何度も食べるやり方だ。お菓子が主食というべき、質より量を重視した作戦である。
 もう1つは、満腹中枢がギブアップの白旗を上げる前に一気に早食いする戦略だ。人の満腹中枢が機能し始めるのは、食事を開始してから15分後ぐらいからだと言われている。その限られた時間内に一気にハイカロリーなものを胃袋に詰めてしまう過激なやり方である。これだと食事は、1日3回で済む。
 今、ぼくはどちらの戦略で生きていくかの分水嶺に立たされている。
 家で仕事をしていたときは、肥満な飼い猫のように決まった時間の食事は軽く済ませつつも、腹が空くたびにチマチマおやつや菓子パンを食べて総カロリー量を維持していた。ところが、ここのところ勤め人になってしまったので、こんな自堕落なライフスタイルを実現しにくくなってしまった。だから、昼食はハイカロリーな揚げ物などを飲むような勢いで摂取してカロリーを稼いでいる。その効果で、間食をせずとも夜7時ぐらいまで活動できている。低血糖で手が震えたのも遠い過去の話である。
 ハイカロリー早食い戦略によって確かにカロリー量は足りている。でも、連日の揚げ物攻勢は体に良いとも思えない。揚げ物の油が直接体の脂肪に成るわけではないけれど、このままだと油太り一直線な気がしてならない。近い将来、背が小さくてデブだからハムスターと呼ばれてしまうようになってしまう。それは絶対にイヤだ。
 超少食なぼくがより健康的で未来へ禍根を残さない食事方法は、間食三昧と揚げ物三昧のどちらなのだろう?今日も、鼻を油でテカテカと輝かせながら考えているのである。