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ライセンスキーの贅沢な使い方

by 唐草 [2018/10/11]



 Windows 10のライセンスキーをゲットした。無論、海賊版ではない。レアカードのようにキラキラと輝くコピー防止のシールに守られた本物のライセンスキーである。
 せっかくライセンスキーをゲットしたものの、ぼくは素直に喜べないでいた。なにせインストールするべきハードがないからだ。例えて言うならば、美味しいA5ランクの高級牛肉をもらったのだが、フライパンも鉄板も何もなく調理できずに指をくわえているだけのようなものだ。ライセンスキーは肉と違って放っておいても腐らないが、無味乾燥な文字列を眺めていても腹は満たされない。
 だからといって、ライセンスキーを消費するために自作機などを用意するのは本末転倒である。
 「いつか使うだろう」とライセンスキーを使わずにしまいこんでも良かったのだが、それはPCオタクの魂が許せなかった。棚ボタでゲットできたライセンスキーを意地でも消費してやりたいという衝動がぼくをネットリと包み込んでいた。
 しばらく思案した結果、職場のiMacにインストールすることにした。ただし、bootcampでネイティブなOSとしてインストールするのではなく、もっと贅沢な方法を選んだ。macOS上で動作する仮想環境ソフト上にインストールした。これでmacのアプリのひとつとしてWindowsを使うことができるようになる。
 これが贅沢なのには理由がある。仮想化ソフト経由でインストールするとハードとOSの間にアプリが挟まることになる。その結果、再起動でOSを切り替える必要がなくなる代償として動作がとても遅くなる。ちょっと重いとかそういう次元の遅さではない。厚いカーテン2枚越しでマウスを操作しているかのような緩慢な動作になってしまう。せっかくの高性能ハードが台無しである。だから、仮想化ソフト経由の利用は贅沢だと思っている。
 ただ、ぼくの悪巧みはこれでは終わらない。
 今、職場のiMacにはGoogle Remote Desktopをインストールしているので世界中のどこからでもネット越しに利用できる。そのiMacの中でWindowsが動いている。つまり、リモート接続経由で仮想環境を動かせるのだ。ただでさえ緩慢な動作になるリモートデスクトップ。それを経由して、直接操作でも重く感じられる仮想Windowsを動かす。ネット回線と仮想環境という厚い2枚の雲越しに操作していることになる。手袋をはめてキーボードを打つようなものである。
 実際に使ってみたら想像通りの結果が待っていた。90年代後半のPCを思い出させてくれるような鈍さがぼくを迎えてくれた。動くことと使えることは違うのだというのがよく分かる。だが、ぼくは満足している。だって、実用ではなく趣味でやっているのだから。ライセンスキーを無駄に浪費するという贅沢な大人の遊びである。