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雨の日はイギリス車で

by 唐草 [2018/10/23]



 このネタを書くのは何年ぶりだろうか?前にも同じようなタイトルで記事を書いた記憶があるのだが、検索しても何も出てこなかった。もっと雨の日の憂鬱さをじっとりと表現した小洒落たタイトルでもつけていたのだろうか?
 生活の足が自転車であるエコで地球に優しいぼくにとって雨は忌むべき存在である。ちょっと雨が降っているだけでも雨用の装いに着替えなくてはならないからだ。傘をさして自転車に乗るほど向こう見ずで自信過剰ではない。だから、渋々ながらも雨ガッパに着替えるのである。初めからカッパを着て家を出るときは、カゴ付きのいわゆるママチャリで目的地を目指す。
 やっかいなのは、出るときは降っていなかったが帰宅時には雨が落ちてきているパターンである。こういうときは十中八九雨ガッパを持っていない。帰路は濡れ鼠になるより仕方がない。さらに追い打ちをかけるような事態が起こる。ぼくが普段乗っているクロスバイクには泥除けがついていない。濡れた道を走るとタイヤが巻き上げる水しぶきでずぶ濡れになってしまう。尻の割れ目で水を感じるほどの濡れ方となる。
 好き好んで泥除けのない自転車に乗っているとはいえ、下着まで濡らしたいと思っているわけではない。濡れないで済むならそれに越したことはない。とはいえ、日常的に重いママチャリを乗り回すのはイヤだ。
 ママチャリとクロスバイクしか選択肢はないのか?
 実は、他の選択肢がある。
 それこそぼくが「イギリス車」と呼ぶ小型の折りたたみ自転車である。
 大学時代に購入して、ときに輪行などをして楽しんでいた折りたたみ自転車である。駐輪しにくい独特な折りたたみ機構と無駄に有名なブランド品であるがゆえの盗難リスクから平常時に乗り回すことは少ない。というか、ここ数年はほとんど乗っていなかった。
 しかし、それはあまりにも宝の持ち腐れではないだろうか?
 折りたたみ自転車には泥除けもついているし、内装ギアなので雨にも強い。なにより雨の多いイギリスからやってきた自転車である。雨の日に走るにはふさわしい自転車である。
 玄関先でホコリを被っているぐらいだったら、いっそ盗まれたて誰か見知らぬ人に活用されたほうが自転車にとっても幸せかもしれない。という訳で、盗難を過剰に恐れるのはもうやめだ。午後から雨が振りそうな日は、折りたたみ自転車で出かけることにした。ちょっとだけ雨の日が楽しくなった。