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税務署からの通知

by 唐草 [2018/11/10]



 役所から予想もしていないタイミングで郵便が届くとドキッとしてしまう。この心理はどこから来るのだろうか?まっとうに暮らしていれば、告訴されることなんてまずありえないし、税金とか年金なんかも会社が払ってくれる。でも、ぼくのようにフリーランスをしているとそうはいかない。仕事でトラブルが起きれば間に入ってくれる会社もないので自宅に告訴状が届くだろう。確定申告だって自分でやっているので項目をミスって脱税状態になっているかもしれない。
 だからエロサイトで会員登録をした記憶が無くても、それっぽい通知が届くと必要以上にドキドキしてしまうのである。
 今日は税務署から一通の封書が届いた。封筒には、本人以外が受け取ったら開封せずに送り返せと書かれている。なんだか封を切る前から嫌な予感しかしない。
 好意的に捉えれば9月から就職したことで税の支払いなどが変わったという連絡だとも考えられる。でも、税務署がそんな気の利く仕事をするとは思えない。98%以上の確率で、ぼくの申告が間違っていて脱税になっていると告げる手紙に違いない。奴らは多く税を徴収しても黙っているが、1円でも足りなければ烈火のごとく攻め立ててくる金の亡者だ。督促状以外のものが封筒に入っているという展開をぼくは想像できなかった。
 一方で封筒は普通郵便で届けられた。しかも茶封筒である。重要な通知や督促だったら茶封筒はありえないし、中身が深刻なものなら書留などで届く。このチープな送付は詐欺かもしれない。
 どう転んでも楽しい展開は待っていなさそうだ。警戒した面持ちでツバを飲み込みながら封を切った。
 中から出てきたものは、ぼくの想像とはまったく異なるものだった。
 楽しげなイラストでe-Taxの新しいサービスを案内する紙が入っていただけだった。今年から電子確定申告のシステムが変わったんで新しいのをよろしくねという案内というか宣伝というか判断に迷うことが書かれていた。
 あ、そうきたか。これは想定外だ。まさかぼくの非を攻め立てる内容以外のものが税務署から届くなんて。
 とりあえず、ぼくがミスって脱税状態になっていて追徴課税を食らうというような展開にならなかった。スネに傷があるわけではないが、ほっと一安心である。