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好奇心は止められない

by 唐草 [2018/11/14]



 気になるニュースがあった。イオンの来店ポイントを不正に取得して逮捕されたというニュースである。
 その回数、実に270万回。540万ポイントを不正に入手しようとしたらしい。イオンのポイントシステムの換金率は知らないが、540万円相当という認識でいいのだろうか?
 45台のPCを駆使して1ヶ月感で270万回ものアクセスをしていたということは、単純計算で1台のPCから毎日2000アクセスもしていたこととなる。1日に2000回も実際にイオンを訪れたとしたら、それは店舗の入口で反復横跳びをしているような状況である。それを45人同時にやっているようなものである。こんな過剰なアクセスを検知するのに1ヶ月以上かかったのが少し不思議である。担当者は毎日ログを見ていなかったに違いない。
 せこい犯罪であるが、恥ずかしながらぼくとしては犯人に少しだけ同情してしまう部分がある。初めは小さな好奇心に過ぎなかったのではないだろうか?
 GPS情報を偽装してシステムにアクセスしたらどうなるのだろう?そもそも外部からアクセスすることはできるのだろうか?こんな好奇心を満たすためにちょっとしたいたずらを試みたのがキッカケではないかとぼくは想像している。ぼくもシステムの穴を探すのが好きだ。これはハッカー気質とでもいうべきものなのかもしれない。
 好奇心を満たす1手がうまくいくと、さらなる好奇心がムクムクと湧いてくる。1日何回までだったらいいのだろう?同時に何アクセスまでカウントされるのだろう?様々なことを試したくなってくる。試みが1つうまくいくごとに泥沼にハマっていっているのだが、それを自覚することは難しい。大手企業のシステムに勝利したという全能感が、目を曇らせ、倫理観を歪めてしまう。
 気がついたら限界を突破してしまった。そしてお縄になってしまった。こんなところだろう。
 やりすぎた男が1人逮捕されたというニュースだが、きっと同じことをしていた人は他にもいるだろう。バレない程度にヒッソリとやって小銭を稼いでいた要領のいい連中である。そんな要領のいい連中からすると今回逮捕された男は、自分たちの密かな楽しみを白日のもとに晒し破壊した忌むべき人間として映っているだろう。
 今回の事件を受け、イオンは対策を講じるらしい。1日のポイント上限を設けるとアナウンスされている。ただ、これは逆に考えると1日何回かは不正なアクセスを許容すると解釈することができる。ポイントを巡るイタチごっこは、まだまだ続きそうだ。