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ようこそウエストバージニアへ5

by 唐草 [2018/11/19]



 『Fallout 76』冒険日記 その5
 
 普段はどこにでもあるように感じるものなのに、いざ使おうとするときに限って見つからないという経験をしたことはないだろうか?ハサミが必要なときに限っていつもの場所にない。100円玉が必要なときに限って財布の中に小銭がない。飲み物を買いたいのにコンビニが見つからない。目的地に急いでいるのにタクシーがつかまらない。こんなことは日常茶飯事だ。
 ここぞという大切な場面で必要なものが見つからず焦ってしまうのだ。
 この現象になにか名前はついているのだろうか?マーフィーの法則のひとつなのかもしれないが、顕著な事例として名前をつけてあげたい気持ちもある。アナログ時計が目に入ったときに秒針が止まって見える現象にすら「クロノスタシス」という立派な名前がついているのだから、心理学的な分野では名前があっても不思議はない。
 中学生ぐらいまでは、ぼくも必要なときに限って物が見つからない現象に大いに悩まされてきた。翌日の授業の教科書やノートが、まるで神隠しにあったかのように消えるという怪現象が続いた。ぼくの場合は整理整頓が下手だったことが最大の原因だったのだが、これに気がつくまで月に数度狐につままれたような気分になったものだ。
 失敗を重ねぼくも少しだけ大人になった。今では整理整頓しているし、期限ギリギリで行動を起こすのをやめた。おかげで、家中の引き出しを引っ掻き回して、まるで押し込み強盗に襲われたかのように部屋を自分の手で荒らす機会はなくなった。それでもタクシーはなかなかつかまえられないけれど…。
 リアルの世界では持ち前の心配性な性格が功を奏して必要なものが必要なときに見つからない事態は避けられるようになった。でも、ヴァーチャルの世界だと思い通りに振る舞えていない。
 先日、ダクトテープ不足に悩まされていた『Fallout 76』は次の局面を迎えている。
 レベルが上ってゲーム内で「パワーアーマー」と呼ばれるパワードスーツを身につけられるようになった。でも、全然パワーアーマーが見つからないのである。レベルが低かったことは、そこら中に装備できないパワーアーマーが転がっていて「早く装備したいなぁ」と指を咥えて眺めていた。ところが、いざ自分のレベルが上がるとパワーアーマーなんてものはゲームに存在していないかのように見つからないのである。いったい何が起きているのだろう?本当に不思議でならない。