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寒くないと暖かいの違い

by 唐草 [2018/12/14]



 今週は雪が舞っても不思議のない刺すような冷たさに包まれた曇天が続いていた。感覚的な話だけでなく数字を見ても平均的な12月の気温より低かったと思うし、なにより暖かった先週との落差が激しい。だから体がまだ十分に寒さに慣れていない。これでは裸のまま冷凍庫に放り込まれたようなものである。ちょっと油断しただけであっという間に風邪をひいてしまうだろう。
 敵対心すら感じてしまうような凍てついた空気を前にぼくは完全装備で立ち上がった。上下ともにヒートテックの下着に身を包み、長めのコートを羽織り、タオル地のバンドで首元と口元を完全に塞いだ。それだけではぼくの完全冬仕様装備は終わらない。迫りくる冬将軍を相手に手加減など無用である。服装による防寒に加えて、腹にカイロを貼って熱源を確保しているのである。ここまですれば関東の冬は十分にしのぎ切れる。まぁ、電車に乗っている時に暑いという副次的な問題もあるのだけれど…。
 何度か書いているが、今の使い捨てカイロの性能は素晴らしい。時折振って化学反応を物理的に手助けしなければならなかった頃の性能と持続時間を知っているからこそ毎年驚いてしまう。振りもせず貼るだけで20時間ぐらい発熱が続くなんていう性能を説明しても四半世紀前のぼくは信じないだろう。1つのカイロで出勤時から帰宅時まで十分に暖かいままだ。それどころか、翌朝までなんとなく温い状態が続く。まだ発熱反応が続いているカイロを捨てるのは危険そうだし、なによりもったいない。ケチなぼくにはそんなことはとてもできない。
 だからカイロを下着から寝間着に張り替えて最後の最後まで使うことにしている。
 ここであることに気がついた。
 ぼくの部屋は寒いのだが、布団の中に入ってしまえば十分に寒さはしのげている。その証拠に寒さで目が冷めたりすることはないし、寝起きに凍えていることもない。間違いなく寒くはないのである。でも、腰に使いかけのカイロを貼って寝たほうがよりぐっすり眠れた気がする。同じ時間の睡眠でもより体が回復したような感じがするのだ。
 このことから言えるのは、「寒くない」のと「暖かい」という状況の差は思っている以上に大きいということ。論理代数的に考えれば"NOT Cold" = "Warm"と言えるかもしれない。でも、生身の人間にとって「良くないことを避けている状態」と「小さくても良いことで満たされている状態」には雲泥の差があるということだ。「お腹が空いていない」と「お腹がいっぱい」の違いと考えればもっと分かりやすい。この小さな差を人々は「幸せ」と呼ぶのかな?