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BRとCR

by 唐草 [2018/12/17]



 先日、「Mac proが起動しなくなったのは電源が壊れたからではなくてマザーボードの電池が切れたのではないか?」という記事を書いた。ハッキリ言ってこれはぼくの希望的観測以外の何ものでもない予想である。予想というのすらおこがましい。ただの願望である。
 さぁ、電池を交換して真実を明らかにしよう。
 とは言うものの、何年も相棒として使っていたのにMac proのマザーボードのどこにどんな種類の電池が入っているのかすら知らなかった。
 一般的なマザーボードには100円玉ぐらいのサイズのCR2032というボタン電池が使われている。でも、相手はAppleの製品だ。同じx86_64互換ハードウェアと言えども油断はできない。まだジョブズの息がかかっていた設計を引き継いでいるMacだ。ヤツが「ボタン電池なんて美しくない」とかクソ面倒なことを言って謎仕様になっている可能性だってある。本体を開けてみるまでは油断できない。
 拡張パーツがほとんどないくせに世界最高水準レベルで開けやすい本体側面のアルミパネルを外す。ミニマリストが設計したことが如実に理解できる基板が露わになる。PCの中身と言えば絡み合うカラフルなケーブルが織りなすジャングルというイメージが強いが、Apple製品は違う。パッと見では1本のケーブルすら見えない。さらに黒いマザーボードとアルミのパーツが枯山水のような落ち着いた雰囲気を醸し出している。
 特殊な基板とは裏腹に、ぼくの心配は杞憂だった。独自規格の謎接続に溢れているL字型変態マザーボードだが、電池は普通のボタン電池だった。ただ、グラボの影になるように配置されているあたりに病的なこだわりを感じてしまう。
 さて、ボタン電池の規格は何だろう?大きさ的にCR20XX系だと言うことはすぐに分かるが、厚さがよく分からない。本体の中を懐中電灯で照らして電池の刻印を読む。
 BR2032と書かれていた。
 BR!?なんだそりゃ?CRじゃないの?
 ググってみたところBRとCRは、普通の電池で言うところのアルカリ電池とマンガン電池のような関係らしい。もちろんBRが高級品である。やっぱりAppleは、ボタン電池1個までこだわってやがる。本当に面倒な企業だ。
 通勤ついでに家電量販店に寄ったが、BR2032なんて高級品は売っていなかった。まぁ、ダメ元の実験だし安いので良いよね。と言う訳でCR2032を購入。
 電池交換作業は、グラボが外れなかったので立体パズルのように困難を極めることとなった。
 電池交換が終わった今、ぼくはニヤニヤしている。予想が当たった喜びと、思い込みで長らく正解を見過ごしていた恥ずかしさが入り交じった照れ笑いのようなものである。