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2019年も物の値段が分からない

by 唐草 [2019/01/14]



 去年も「物の値段がよく分からない」ということを書いていたが、今年も早速ある商品の値段に頭を抱えることとなった。
 ことの発端は、先日「腕時計が見つからない」という愚痴を書いた出来事にある。スマホ持ち込み禁止の場所での仕事があるので、どうしても時計が必要になった。ぼくの持っている時計で現在動いているのは目覚まし時計しかない。目覚まし時計を腕にくくり付ける訳にもいかないので、昔使っていた腕時計を探そうとした。でも、結局腕時計は見つからなかった。
 だから腕時計は諦めて、昔使っていた安いクオーツの懐中時計で代用することにした。ベストのポケットにチェーンで留めればレトロな装いを楽しめる。ただ、懐中時計は何年も使っていなかったので電池が切れていた。「電池の切れた時計は1日に1回だけ完璧に正確な時間を刻む」というジョークがあるが、今のぼくにそんなジョークを楽しんでいる余裕はない。必要なのは、早急な電池交換である。
 動かない懐中時計を握りしめて近所のホームセンターに向かった。その店には電池交換などを行ってくれる小さな時計修理コーナーが併設されている。クオーツ時計の電池交換なんて数分で済むことだろう。店の壁に掲げられた価格表を見ると電池交換は「1,000円~」と書かれていた。「けっこう高いな」というのが、ぼくの素直な感想だった。
 時計修理受付の周りは時計販売コーナーだった。壁掛けの時計から腕時計まで様々な時計が並んでいた。棚の下の方にはチープそうな時計がいくつか並んでいた。どれも2,000円ぐらいだ。さらによく見ていくと税込みで1,000円ぐらいの時計さえあった。
 なんてことだ。電池を交換するのと同じお値段で新しい腕時計が買えるのか…。
 これは、ひょっとして電池を交換するよりも新しい時計を買ってしまった方が賢いのではないだろうか?
 何種類か売られている聞いたこともないメーカーの1,000円の時計を手に取った。顔を近づけて見るとどれもものすごくチープなつくりなのが見て取れる。銀色に見える部分が金属ではなくてプラスチックのメッキ加工だというのが一目でわかる。おもちゃにしか見えない。バンドもゴムだったり、ビニールだったりと安価な素材だというのがハッキリと見える。
 でも、経済力を誇示するためのアクセサリーとして時計を必要としているのではない。スマホを持ち込めない場所で時間を確認したいだけなんだ。ぼくにはこれで十分だろう。結局、電池交換と同じお値段で安い時計が1本買えてしまった。
 パーツの値段で本体が買える不思議。高級な時計のお値段も理解できないが、それとは完全に逆な理由で最安値の時計のお値段も理解できない。