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酔っぱらいの英語教室

by 唐草 [2019/03/19]



 次の英文を日本語に翻訳しなさい
 
 Destroy robots while intoxicated.
 
 およそ教科書には載っていない英文である。直訳すれば「酔っ払っている間にロボットを破壊しなさい」となるだろう。でも、この訳では硬すぎて全然おもしろくない。楽しく訳すなら「飲んでロボットをぶっ壊せ!」というすでに酔っ払った感じの訳が良いだろう。
 こんな反社会的な英文を出したのには理由がある。先週末からぼくが一番眺めたであろう英文だからだ。
 昨年末『Fallout 76』についていろいろ書いてきた。どんなに面白いゲームだってしばらく続けていたら飽きてしまう。ましてや2018年最悪のクソゲーの名を欲しいままにしている問題作である。世界ワーストクラスのバグの酷さと多さに笑い転げているだけで2ヶ月ほど楽しめていた。でも、ストーリーもクリアして、大半の無害なバグを経験してしまったら急激に熱が冷めてしまっていた。
 ところが、この前の土曜日から『Fallout 76』に復帰している。
 ぼくを再び核戦争後のウェストバージニアへと導いたのは大型アップデートである。大型アップデートには、いつだって夢と希望が満ちている。
 「ワイルドアパラチア」と冠された大型アップデートの目玉は酒造りだ。なんでもウェストバージニアは禁酒法時代に密造酒のメッカのひとつだったらしい。その伝統をゲームで再現したそうだ。リアルではあまりお酒を飲まないぼくだけれども、ゲームの中ではアル・カポネもビックリな密造酒業者となっている。効率的にお酒を作っているのでポストアポカリプスなサバイバルゲームは、すっかりファーミングシミュレーターとなっている。
 『Fallout 76』は、オンラインゲームなのでデイリーミッションやウィークリーミッションが設定されている。その内容こそが冒頭の英文なのだ。すべてのミッションがお酒に関わることになっている。作って、飲んで、大暴れしてポイントをゲットしようという飲んだくれゲームとなっている。
 ぼくの購入した『Fallout 76』は日本語版である。もし、正常に稼働していればミッション名もすべて日本語で表示されるはずだ。しかし、翻訳が間に合っていないようで新たに追加されたミッションのほとんどが英語のままである。おかげで教科書では目にしない単語や英文を学ぶ貴重な機会となっている。「酔った」が"drunk"だけでないことも初めて知った。
 画面の半分が日本語で残り半分が英語。ある意味、アルコールに酔った状態で画面を見ているような気分になれるすばらしいユーザ体験である。このチャンポンな状況は、すべて酒のせいだと思って楽しむことにしよう(結局、バグを楽しんでいる)。