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32GBでも足りない

by 唐草 [2019/03/20]



 ITジョークにこんなのがある。
 
 スマホを片手に困っているAのところにPCオタクのBがやってくる。
B「A君、なにを困っているんだい?」
A「スマホが遅くて困っているんだ」
B「そのスマホのメモリはどれぐらい?」
A「32GBだよ」
B「それ、メモリの量じゃなくてストレージ容量だから!」
 
 というアメリカンジョーク風の小話だ。PCオタクのネタなので、多くの人はクスリともしないことだろう。
 ここ数年、主記憶装置としてのメモリと補助記憶装置であるストレージ(保存領域)の容量の単位はどちらもGBが主流。詳しくなければ混同してしまっても無理はない。特に家電量販店などで耳馴染みのないストレージという言葉を避けて、保存容量のことをメモリと書いている場合がある。これが混乱に拍車をかけている。
 なぜPCオタクは混同しないのか?それはオタクとしての教養があるからだ。主記憶装置であるメモリを32GBも積むのは、スマホであれPCであれオーバースペックで贅沢。あたかもスーパーへの買い物車としてレクサスを買うようなものだ。今のスマホの主流は4GBぐらいだろう。PCは8GBあればは足りる。
 さて、ここ数日PCオタクであるぼくは「32GBじゃ全然足りない」とつぶやき続けている。
 この発言を聞いたPCオタクは、ぼくが格安スマホでも買ってストレージ不足に悩んでいるのかと考えるだろう。それは早合点だし、その誤解を誘うためにつぶやいている。
 ぼくが悩んでいるのは、本当にPCのメモリの不足についてである。断じてSSDとかハードディスクの話ではない。
 今、メモリを32GB搭載しているサーバをセッティングしているんだけれども、最高負荷がかかると32GBでも足りないという試算結果になってしまったのだ。CPUの予算を削ってでもメモリを64GBにするべきだったと頭を抱えている。けれども、それと同時に32GB搭載の怪物級のPC(お値段は軽自動車並み)をいじっていることを自慢したいのだ。だからわざわざミスリードを誘うようにつぶやいている。悲しいけれど、これが同族に優位性を示したくて仕方がないウザくてキモいオタクの性である。
 ちなみに作っているのは、ESXi上で3つのOSが動く仮想環境。しかも、仮想環境の内の1つはDockerを動かす予定。つまり、仮想環境の上で仮想環境が動いているという、まるで夢の中で夢を見ているような訳の分からない環境なのである。仮想環境構築は経験が少ないので、何をやっているのかぼく自身もいまいち良く分かっていない有様。悪夢の中で覚めない悪夢を見ているようなものだ。
 サーバ室の奥に鎮座するマシンの中は計り知れないぜ。
 
オマケ
 冒頭のジョークには派生型がある。
B「A君、なにを困っているんだい?」
A「コンピュータが遅くて困っているんだ」
B「そのコンピュータのメモリはどれぐらい?」
A「1.5TBだよ」
B「それ、メモリの量じゃなくてストレージ容量だから!」
A「このPCだよ」
と言って、約1,000万円の学術計算用ワークステーションのカタログを差し出す。