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3夜連続からの開放

by 唐草 [2019/03/26]



 ぼくはアメリカのTVドラマ『クリミナル・マインド』シリーズが大好きだ。視聴してきたドラマの中で5本の指に入るほどのお気に入りである。
 だが、日本での放送開始からずっと追いかけていたわけではない。放送開始直後は、「犯罪プロファイル?なにそれ?心理分析で犯人逮捕できたら苦労しないよね」と冷めた目を向けて全然見ていなかった。心理分析よりも科学捜査の方がまだリアリティーがあるだろうと思っていたので同時期に放送されていた『CSI』ばかり見ていた。
 キッカケがなんであったかはすっかり忘れてしまったが、1回見たらすっかりファンになってしまった。スピーディーな展開、個性的な登場人物、凝った演出、そして適度なグロさのどれもが刺激的だった。以来、日本での最新シリーズ放送を首を長くして待ち続けてきた。
 スピンオフを含めて最新作は全て見てきた。その一方で、ぼくが視聴を始める前に放映された古いシーズンを見ることができないでいた。Amazon Primeで初期シーズンの配信はされている。でも、ぼくは長らくwowow版の吹き替えに慣れ親しんできたので、英語字幕版を受け入れることができなかった。
 そんなぼくに朗報が訪れたのは半年ぐらい前。D-Lifeとかいう聞いたことも無いチャンネルで『クリミナル・マインド』シーズン1からの放送が始まった。しかもwowow吹替版。それまではどうやって視聴するのかも分からない衛星裏チャンネルだったけれど、今では1週間で一番見るチャンネルとなった。
 古いシーズンの日本語吹き替え版を無料で放送してくれるのはありがたい。でも、放送スケジュールが過激なのだ。月曜から水曜まで3夜連続で放送する。つまり、1週間の約半分をサイコパスが犯した凶悪犯罪を眺めながら過ごすことになる(ちなみに最新シーズンの放映と重なっていたので週4回見ていた時期もある)。
 月曜から水曜までの午後10時からの1時間を必ずテレビの前で過ごす生活というのは、思っていた以上に生活に支障が出た。また、衛星放送でしか見ないような妙な通販のCM、しかもロングバージョンを見せられるのも苦痛だった。たぶん、ニキビケアのプロアクティブの宣伝は100回ぐらい見たはずだ。
 先日、ついにぼくが視聴を始めたシーズン5にたどり着いた。10年近く前に放送されたシーズン5の話なんてほとんど覚えていないが、すべてのシリーズを見尽くしたという大きな満足感を得た。そして、3夜連続の再放送視聴をやめた。
 すると、自分でもビックリするほどの開放感に包まれた。
 大好きなドラマをただで見られるのは、本当にありがたかった。でも、毎日繰り返される同じCMには飽き飽きしていたし、毎日定時に1時間拘束されるのも苦痛に感じていたようだ。楽しかったドラマ視聴が、自分でも気が付かないうちにまるで仕事のような義務に変わってしまっていたようだ。リモコンを置いて初めてその事実に気がついたのである。