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ゲームの辞め時

by 唐草 [2019/04/23]



 毎日ログインを欠かさないオンラインゲームが何本かある。PCゲームにPS4、そしてスマホゲームとよりどりみどり。まさに右を見ても左を見てもゲームに囲まれているというべき生活だ。考えようによっては、小さかった頃の夢を叶えたとさえ言える。
 しかし、その夢の生活は楽しいのかと問われてもぼくは自信を持って心の底から「はい」と言い切れないことに薄々気がついている。悲しい事実だが、小さかった頃のように全身全霊で夢中になってゲームを楽しんでいる時間は減っている。「ゲームは1日16時間まで」と言って浴びるようにゲームで遊び続けた結果、ゲームは特別なものから日常へと変化していった。もう心をときめかせる宝物ではなく、家の窓から見える隣家の植木鉢のような代わり映えしない存在になっている。
 ようするに今のぼくは、惰性だけでゲームを遊んでいる部分が多大にあるということだ。なにか特定のゲームで遊びたいと言うより、リラックスできる時間を作るためにゲームで遊んでいるという感じである。そう考えると、ぼくにとってのゲームはコーヒーに近い存在なのかもしれない。別に良い豆でなくてもいいし、意識の高い店でなくても良い。とにかく飲まなくてはいられないとい中毒状態なのだ。認めたくはないが、完全なゲーム中毒である。
 そんなぼくにとってゲームの辞めどきの判断というのは難しい問題である。オフラインのゲームならストーリークリアとかレベルカンストとかアイテムコンプとか区切りを付けやすいポイントがある。でも、オンラインゲームにそんなスッキリとした区切りはない。だから中毒患者のぼくは、ログインボーナスを得るのが責務であるようにゲームを続けてしまうのである。
 でも、薄々気がついてはいるんだ。毎日遊んでいるゲームに飽きていることに。でも、それを認めてしまうとなんだか負けたような気分になってしまう。だから、毎日インスタントコーヒーを飲むのと同じように淡々と遊んでいる。
 今までにいくつかのオンラインゲームで遊んだが、辞めたきっけかはそれぞれだ。人間関係に疲れたものもあれば、ぼくの技量では太刀打ちできなくなったものもあるし、バージョンアップでそれまでの戦略や装備が通じなくなったものもある。情熱が残っていれば、積極的にコミュニケーションを図って新たなフレンドを作ったり、練習を重ねて技量の向上を目指したり、頑張って新装備を作ったかもしれない。でも、根底に潜む飽きがぼくの向上心を飲み込んでいた。
 惰性で遊んでいる某ゲームのアップデートが近い。現時点で上級コンテンツ参加資格をゲットできていない上に新要素が追加される。今のぼくには、その進化が疎ましい。ゲームの方から「お前はお呼びでない」と言われている気もするし、次のバージョンアップを期にスッパリ辞めるのがベストな選択なのかもしれないな。
 そして、目を輝かせて遊べるような新しいゲームを開拓しよう。