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太陽神殿

by 唐草 [2019/06/29]



 ここのところ体の調子があまり良くなかった。発熱したり、ゲロを吐いたりとか咳が止まらないとか深刻な症例は出ていない。とにかく眠くてしかたがないのだ。毎日少なくとも6時間ぐらいは寝ているというのに、まるで2,3時間しか眠れなかった時のようなダルさが体を包み込んでいた。
 先日書いたが、自分の体内時計に合致した睡眠のリズムというのがある。ぼくの場合は、午前2時に寝て午前9時過ぎに起きるというリズムだ。基本的にこのリズムで寝ている。睡眠のリズムも時間も問題ないのに睡眠不足を感じているのだとしたら残る原因はひとつしかない。
 睡眠の質が悪いのだ。
 この季節は、天気によって気温が大きく変化する。同じ寝具で寝ていても、暑く感じて掛け布団をはぐ日もあれば、ミノムシのように掛け布団にくるまっている日もある。気温のせいで眠りの質が低下している面もあるだろう。でも、それだけではないような気がしていた。
 ここ数週間、目覚ましが鳴る時間よりもずっと前に目が覚めることが多かった。午前4時から5時ぐらいの間である。いくら何でも起きるのは早すぎる。だから、時計をちらりと確認して寝坊していない事実を確認してから再び眠りへと戻っていた。
 この早朝の覚醒が、一瞬とは言えぼくの睡眠の質を大きく落としているのではないだろうか?
 もし、そうだとして何がぼくを目覚めさせるのだろう?耳障りな音で起こされた感じはしない。部屋が揺れるとか物理的な要因も感じていない。朝日に包まれて自然に起きているだけにしか思えない。
 朝日に包まれて?この言葉が、ぼくにひとつの閃きをもたらした。
 先日夏至を迎えた今の季節は一年で一番早い日の出を迎える時期だ。その時間は午前4時40分ぐらい。ちょうどぼくが目覚めている時間だ。
 興味深い偶然の一致である。ぼくは朝日の眩しさに起こされていた可能性が高い。でも、他の季節に日の出とともに目覚めることはない。なぜ、この季節だけなのだろうか?
 それも簡単に説明することができた。今の日の出の方角が、自室の窓の向きや近隣の住宅の隙間とキッチリと重なっていた。まるで夏至の日だけ神殿の奥まで日が差し込む太陽神を祀る古代神殿のようにぼくの部屋へと日が差し込んでいたのである。
 今日は、雨模様の朝が予想されていたけれど雨戸を完全に閉じて寝た。吸血鬼の寝床のように暗い部屋は、ぼくに久方ぶりの安眠をもたらしてくれた。おかげで一度も目覚めることなく9時間も惰眠をむさぼることができた。