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レモン味?

by 唐草 [2019/07/04]



 ラムネと言うと本来はビー玉で栓がされた炭酸飲料のことを指す。ラムネなんて小さい頃に縁日で買ってもらったぐらいで、普段は飲む機会なんてあまりない。もう10年以上飲んでいない。
 本物のラムネにはめっきり縁がなくなってしまったが、もうひとつのラムネはいつでもぼくの手の届くところにある。砂糖と重曹を押し固めたラムネ菓子の方である。ラムネボトルの形をした緑色のプラスチックケースに入って売られている森永のラムネは、小さな頃からオッサンになった今でもぼくの生活に欠かせないアイテムだ。
 今、ラムネ菓子が大人に人気だという。ブドウ糖の純度が高いことを売りにして、集中力を高められるタブレットとしてアピールしている。まるでちょっと危ないドラッグのような売り方である。確かにブドウ糖を直接摂取したときの効果は絶大だ。エナジードリンクの比ではない。ぼくも10年ぐらい前に「脳の餌」と言いながらブドウ糖でドーピングをキメていた。その結果は、ご存知のように低血糖症の発症で手の震えが止まらなくなった。完全に禁断症状。体に必要なはずの糖分なのに、過剰摂取すると違法ドラッグと何ら変わりない症状を引き起こすのだ。
 その反省を胸に秘め、ぼくはブドウ糖断ちをした。努力のかいあり今では糖が切れても手は震えない。でも、糖に頼らないと周囲の音が聞こえなくなり血流で耳が赤くなるほどの高い集中力を発揮することはできない。日々の仕事の中で、どうしても圧倒的な集中力が必要になる瞬間がある。そんなとき、ぼくはブドウ糖を摂取するためにラムネを頬張るのだった。
 今、面倒な急ぎの案件がぼくの目の前に転がっている。単純に言えばデータの集計作業なのだが、データの量と分析する項目が多すぎるのだ。母集団を8分類して各分類の上位25%を集めた平均値とかそいうい説明するのも嫌になるような解析が求められている。期日は事実上3日。量と質だけでなく、スピードまで要求されている。とてもじゃないけれどノーマルなぼくでは十分な成果を挙げられない。ここは、ドーピングが必要だ。
 ということで、ラムネを買いにコンビニへと走った。戻ってきたぼくが手にしていたのは、おなじみの小さなラムネボトルではなかった。黒い小さく四角いパッケージだった。
 ぼくが購入したのは、大粒ラムネの新商品「スーパーコーラ&レモン味」というコンビニ限定っぽいラムネの亜種。袋の中を覗くと薄茶色い粒と黄色い粒が入っていた。茶色い方の粒は駄菓子でよくあるコーラ味だった。しかし、黄色い方はレモン味だとは言えないすっぱい何かでしかなかった。こういう駄菓子のレモン味で、レモン好きなぼくを満足させられたことは一度だって無い。でも「次こそは!」と謎の期待に胸を膨らませ毎度新製品に弄ばれるだけなのだ。