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駅前はカオス

by 唐草 [2019/07/17]



 来週に迫った参議院選挙。各党・各候補が必死に選挙活動を繰り広げているが、やっていることは50年前と変わらず名前を連呼するだけ。お金をばらまかなくなったぐらいの変化しかないのだろう。この旧態依然な活動はいつまで続くのだろう?
 ひどい活動だと思うけれど、冷静に考えると理に適っていると言えてしまうのが悲しい。もし、名前も知らない候補と名前だけ知っている候補の2人がいて決め手に欠けていたら名前を知っている方を選んでしまうだろう。あえて名前すら知らない方に投票する人は、ぼく以上のひねくれ者だ。この現実を考えると、バカな選挙活動だと笑っているぼくらのバカさに合わせた選挙活動だと言えなくもない。名前を連呼するだけのうるさく中身のない選挙方法を街から一掃したかったら、ぼくらがもっと賢くなるしかないのだろう。
 今日の帰り道、最寄りの駅で旧態依然な選挙活動が行われていた。候補者名だけでなく政策の欠片みたいな言葉もちりばめられていただけまだマシなのかもしれない。でも、具体的に何をしようとしているのかはさっぱり伝わってこない言葉の羅列でしかなかった。
 駅のコンコース付近では政党関係者が、ここぞとばかりに腰を折って低姿勢を装いながらビラを配っていた。ぼくの目の前にも1枚のビラが差し出された。配っている人の方を見るとインド系の人が片言の日本語で何かを訴えていた。外国人労働者の待遇改善とかを訴えているのだろうか?
 と思ったら、いつものカレー屋のビラ配りだった。ヒゲが濃く浅黒い男は、政策を口にしているのではなくカレーを勧めているだけだった。紛らわしいなぁ。こんなところでビラを配るなよ。と思ったけれど、普段はカレー屋のテリトリーとなっている場所で選挙活動している方がよそ者なのだ。
 10歩ぐらい進んだら、再び目の前にビラを差し出された。蒸し暑いのにフォーマルな雰囲気の服を着た人が、ぼくのことを見ていた。今度こそ選挙のビラだろうか?ビラに目をやると「聖書を語り合う」的なことが書かれていた。演説している政党は宗教色のない党だ。これも選挙のビラじゃない。ただの宗教の勧誘だ。
 駅前の雑踏を通り抜けるまでに2回もビラを渡されそうになったが、どれも大声を張り上げている選挙のものではなかった。きっと支持政党のビラだと思って受け取ったら、カレー屋だったり宗教だったりと全然違うものだったという人が大勢いることだろう。
 今晩の駅前は、いつもに増してカオスだった。