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ただいまの温度は

by 唐草 [2019/08/09]



 夏になるとぼくはサーバ室の温度のことしか考えていない。この夏もすでに何度もここに書いている。温度のことだけを考えていて許されるのは、自由研究に取り組む小学生ぐらいのものだろう。少なくともいい年した大人が、毎日考えているべきテーマではない。
 それは分かっているが、温度のことはくさびのようにぼくの頭の中に打ち込まれている。自宅で稼サーバを安全に働させたいという単純な願いは、いつしか呪いや熱病のようにぼくを支配するまでに至った。夏休みに突入したので、心いくまで扇風機と温度計だけを見つめられる日々がスタートした。
 なぜ部屋を冷やすのか。それはPCの内部温度を少しでも下げたいからだ。では部屋の温度を何度下げれば、PC内部はどれぐらい温度が低下するのだろうか。悪夢に苛まれているかのように温度を下げることに必死になっているぼくではあるが、実のところ室温とPC内部温度の相関関係をまったく把握できていないのである。
 部屋が涼しければ、PCの中も涼しくなるだろうという経験則ということすら不十分な思い込みだけで行動を起こしている。熱力学的に考えれば間違っていないはずだが、定性的とすら言えない感覚の世界のである。小学生の自由研究としても通じないほど根拠の乏しい話である。
 素直だが愚かな行動原理である。科学的な判断をするためにも、観察記録をつける必要がありそうだ。自由研究らしくなってきたぞ。
 という訳で、サーバに温度監視ソフトを導入した。これなら正確に内部温度を知ることができる。
 起動したら、8.3℃と表示されていた。摂氏と華氏を間違えたかな?そう思って変換してみたが低すぎる。なんで、37℃の部屋で稼働するPCのCPUが山の湧水レベルに冷たいんだよ!
 どうやら初期設定が不適切で誤作動していたらしい。よく分からない呪文をコピペしてもう一度確認をしたら、47℃と出た。それっぽい値である。やはり室温より10℃ぐらい高いようだ。
 しかし、温度確認のたびにログインしてコマンドを打つのも面倒である。という訳で、Web経由のAPIを作ってみた。あるURLにアクセスするとCPUとHDDの温度が表示される便利なAPIである。
 これをこのサイトのトップに置けば、利用者がサーバのCPU温度を知ることができるという世にも稀なサイトの出来上がりである。変なAPIを作り上げ、さらには「君のアクセスが、CPUを熱くするぜ!」というキャッチコピーを思いついたぼくの頭は、すでに熱でやられているとしか思えない。