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己の影が描く形

by 唐草 [2019/08/27]



 もう10年以上この日記を続けている。書くのを辞めようと思ったことも少なくないが、習慣化しているので書かないと気持ちが悪い。更新が数日止まると足の裏がかゆいときのように体中がムズムズしてくる。結局、ムズムズに我慢できなくなって「めんどくせぇなぁ」と言いながらもキーボードを叩いてしまう。これは雨の日でも走らないと気が休まらないジョギング中毒者に似ているように見える。記事を書いてもアドレナリンとかの脳内物質が分泌されて気持ちよくなるはずは無いと思うのだが、いったい何がぼくを10年以上に渡って動かしているのだろう?自分でもよく分からない。
 駄文を山のように書き連ねてきたことで、いくつかの収穫もあった。一番の収穫は、自分の考え方や興味あることを俯瞰するように客観視できたことである。記事に取り上げる内容の傾向を分析すれば、ある時期のぼくがどんなことに注目していたのかを知ることができる。時系列にまとめれば、ぼくの考えの変遷を知ることだってできる。
 1日1日を切り出して見てみれば、毎日同じような気分でキーボードを叩いているだけである。でも、それが1000回、2000回と続いていくと変わっていくものと変わらないものが見えてくる。
 現在たどり着いている場所から振り返ってぼくの影を眺めて見ると何が見えるだろうか?10年の重みは何を織りなしているのだろう?
 全部の記事を読み返す必要もない。AIに分析させる必要だって無い。ぼくの影が描く景色はとても単純だ。
 ゲームとコンピューターが大好きだというオタクの影がクックリと浮かんでいるだけである。キラキラした彩りもない。輪郭は精悍さに欠ける。しかし、ベタ塗りのように濃い。その影が描くのは、どこにでもいるようなありふれたただのゲーム好きの姿である。
 薄々感づいてはいたけれど、積み重なった塵の山を客観視してみると内容の偏りが酷い。1週間に4回はゲームとPCのネタがある。これではまるで一日中ゲームとPCのことしか考えていないダメな大人みたいではないか。プライベートなことや第三者に迷惑をかける可能性のある話題を避けた結果のゲームとPCネタ三昧なのだろうか?
 そんなことはない。ぼくは、本当に一日中ゲームとPCのことしか考えていない人間なのだ。しかも、ゲームとPCを語らなかった残りの3回を書いた日だって、本当はゲームかPCのことを書きたかったのに「さすがに話題が偏りすぎている」と自重した結果なのである。
 ぼくの薄っぺらさを如実に表した10年の蓄積である。むしろ、その薄さに驚きである。