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レトロ趣味じゃない

by 唐草 [2019/09/08]



 ぼくも他の多くの人と同じようにコンピュータを遊びから仕事まで幅広く使っている。でも、使い方は多くの人とは違うだろう。作業の中で大きな割合を占めているのが、小さな黒い画面を開いて呪文のようなコマンドを打っている時間だ。大規模データ処理、プログラム開発、そしてサーバ管理などは、多くをコマンド経由で行っている。だから、ぼくが触れるPCのすべてにターミナルと呼ばれる類のコマンド操作アプリがインストールされている。
 今日は、このサーバのアップデートをしようと自宅のMac miniでターミナルを開いた。黒い背景に12ptの小さなな白い文字が並んでいる。
 画面を見た瞬間、ぼくはメガネを掛け忘れたのかと勘違いしてしまった。あまりにも文字が滲んでいたからだ。
 ぼくは間違いなくメガネをかけていた。ゲームにやりすぎで多少疲れ目かもしれないが、文字が滲むほどではない。画面に顔を寄せて小さな文字を凝視すると、文字が初めから滲んでいるのが見て取れた。どうも適切なフォントが選択されていないようだ。
 設定画面からいつも使っているフォントを選んだ。しかし、職場のiMacのようにクリアな見た目にはならない。Retinaディスプレイを前提に作られている今のmacOSだと、エッジをなめらかに見せるアンチエイリアス効果が強く聞いている。そのせいで古いディスプレイだとかえって滲んでしまっているようだ。アンチエイリアスを切った方がクリアに見えるかもしれないが、切ってしまうと今度はカクカクで読みにくくなる。
 ここは、昔ながらのドット打ちで作られたビットマップフォントの出番だ。そう思ってVT100風フォントに変えようと思ったら、今のmacOSには搭載されていなかった。仕方がないので、似たフリーフォントを探すことにした。
 最初に見つけたのが、VT220フォント。これはブラウン管で表示されたときのように縞々に見えるフォントだった。設定するとレトロなSFに出てくるような画面が出来上がった。違う、そうじゃない。
 次に見つけたのが、pixelMPlusフォント。これは日本語も含めてビットマップフォントの風に作られている優秀なフォントセットだった。設定したらまるでスーパーファミコンのテキストのような文字が表示された。完全にレトロゲームの趣である。これも違う。
 どうも最新の機材をレトロ風に見せることばかり流行っているようだ。ぼくはレトロな雰囲気を求めているんじゃないんだ。レトロな機材に合うフォントを求めているだけなんだ。