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揚げ物税

by 唐草 [2019/10/24]



 ぼくは成人男性の平均と比較すると少食な方だと思う。とは言え、骨が浮いて見えるほど痩せてはいない。BMIは平均的だが、体脂肪率はやや高めという筋肉の少ない体をしている。筋肉が少ないので基礎代謝が低いために少食でも生きていけるという面もあるかもしれない。でも、ぼくは本当の意味で少食ではない。1回の食事の量は少ないかもしれないが、回数が多いのだ。菓子パンなどの高カロリーな間食を生活のリズムに組み込むことで、必要なカロリー量を確保しているのである。
 でも、いつだって間食にありつけるわけではない。仕事が忙しく確実に長時間拘束されてしまうのが分かっている日もある。そういうときは食い溜めをする。唐揚げ定食とかのハイカロリーなものを満腹中枢が働く前に胃の中に押し込むのだ。でも、いくら急いでいるからと言って早食い競争の選手のようながさつな食べ方はしない。可能な限り丁寧な食事を早送りで見ているような優雅さを忘れないように心がけている。
 脂肪分たっぷりでハイカロリーな食事だけで腹を満たそうという考えは、合理的かもしれない。でも、健康の観点からはよろしくないだろう。アメリカの貧困層には肥満が多いらしい。貧困と肥満は相反するように感じられるが、それは古い考え。現代社会で安価な食事を求めると炭水化物と脂肪の塊であるファストフードしか選択肢はない。野菜や果物は高い上に腹を満たしてはくれない。また、仕事に追われているので食事の時間を確保するのも難しいこともファストフード頼りを助長させる。だから、貧しければ貧しいほど太ってしまうという悪循環を生むそうだ。
 ぼくの合理性だけを追求した揚げ物生活も、ファストフードに頼る生活に似ていることは否めない。短期的には空腹を抑えてくれるかもしれないが、長期的に見ると健康を前借りしているのかもしれない。
 揚げ物に頼る生活をしているのは、ぼくだけではない。揚げ物は美味しいので多くの人が頼っている。これが成人病などの社会的な健康問題を引き起こしていることに間違いはないだろう。
 先日、某IT大手の社食で揚げ物を減らす取り組みを初めたというニュースが流れていた。揚げ物税と称して揚げ物の値段を上げて、ヘルシーな魚料理などの値段を下げたらしい。これは揚げ物全面禁止を掲げるよりもずっと賢いやり方だ。
 意欲的な取り組みだが、ひとつだけ気になる点がある。ぼくの好物であるアジフライは、揚げ物だから値上げなのだろうか?それとも魚料理だから値下げなのだろうか?はたまた値上げと値下げが相殺しあって価格維持なのだろうか?気になって仕方がない。