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ジャンクハンター

by 唐草 [2019/11/13]



 「ノートPCが欲しい」先週からぼくの物欲が、こう訴えている。最新のPCが欲しいわけではない。Linuxをインスールして遊べればいいので、メモリが2GBあれば十分だ。
 そんなことを考えているのを見透かしたようにDellから1通のDMが届いた。法人用のノートPCが、19,980円で限定発売されるとのお知らせだった。安いだけあってスペックは最悪。Windows 10がインストールされているが、まともな動作は期待できないだろう。普通に使うのだったらゴミのようなノートPCだが、ぼくが求めている最低限のスペックは余裕で超えている。ひょっとして買いか?
 そう思ったのだが、すぐには手を出さなかった。都合のいい話が転がり込んでくる時は、自分にとって風向きがいいタイミングなのだ。両手を大きく広げて様々な人の話を聞くと思いがけない掘り出し物が出てくる可能性がある。
 今、ぼくがLinuxをインストールして遊んでいるPCは2008年モデル。このPCはぼくが買ったものではない。ノートPCが欲しいなと思っていたら、タイミングよく当時の職場のノートPCが壊れてくれた。断じて、ぼくが壊したわけでない。廃棄するというので、ぼくが引き取った。セーフモードでしか起動しないほどOSが崩壊していたが、ハードに異常はなかった。OSを再インストールするだけで、元気なPCをゲットできた。これが、8年ぐらい前の話だ。
 今回も同じような幸運が降ってくるかもしれな。至るところで、いらないPCや壊れたPCが無いかと聞きまわった。
 するとどうだろう。部署再編で管理責任者が不明になってしまったノートPCが、4台も出てきたのだ。見てみると2011年モデルの古いPCだった。それでも、ぼくが求めている性能以上の代物だ。実用するには古すぎるが、勝手に処分することもできない。宙ぶらりんな状態なので、長らく放置されていたのだろう。
 どう考えても、この話はぼくに向かって吹く好都合の風の吹出口に違いない。
 責任者と思われる人に「もらっていいか」と直球に聞いた。答は「よく分からない」とのことだった。
 だが、ぼくは諦めない。試しに1台のノートPCを起動したらWindowsの起動に失敗した。OSが壊れている状態である。破棄を決断させるには十分な画面である。こうして壊れたPCは、ぼくという名のゴミ箱へと葬られることになった。
 さあ、リストア開始だ。明日には、元気に息を吹き返すことだろう。またしてもタダでPCゲット。ぼくは、ジャンクPCハンター。