カレンダー

2018/11
    
 
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

浦和完全制覇

by 唐草 [2019/12/02]



 日本の都市生活において公共交通機関が担う役割はとても大きい。公共交通機関の中でも特に鉄道への依存度が高い。通勤通学の足としての活躍はもちろんのこと、買い物やレジャーなどにも広く利用されている。ぼくだって平日はほぼ毎日電車を利用している。
 人々が鉄道を軸足に据えた生活を選んだ結果が、今日の東京周辺の街の姿だろう。増える人口や発展する街の形に合わせて鉄道網も日々進化している。山手線の新駅が作られたり、私鉄とJRの連携が進んだりしている。
 残念なことに日本の都市鉄道開発の多くは、明確で長期的な都市計画に基づいたものではない。自然発生的に変化する流動的な人の営みに合わせて場当たり的に建設と破壊が進んできたと非難されても仕方がない部分もある。
 そんな場当たり的な開発の負の側面として考えられる要素に駅名がある。横文字入りの山手線新駅が物議を醸したのは記憶に新しい。それ以外にも神経細胞のように入り組んだ関東エリアの路線図を見ると首を傾げたくもなる駅名がいくつか見受けられる。そのひとつが埼玉県の中心部に点在する浦和駅ブラザーズだ。乱立する〇〇浦和駅は、複雑に連携する鉄道の乗り入れをより分かりにくいものにしている。
 今日は大宮の方まで出かける仕事があったので、行きと帰りで利用する路線を変えて浦和駅全制覇を狙ってみた。
 まず、往路の武蔵野線で武蔵浦和駅を通過して南浦和駅で京浜東北線へと乗り換えた。乗り換えた京浜東北線で、なにもつかない無印の浦和駅と北浦和駅を通過して大宮に至った。帰路では大宮から埼京線を利用することで中浦和駅を通過して武蔵浦和駅へと戻り、武蔵野線へと乗り換えた。
 ベッドタウン埼玉に暮らす人々を都心へと送り込むバイパス路線を駆使することで「武蔵」、「南」、「(無印)」、「北」、「中」の5つの浦和駅ブラザーズを制覇することに成功した。なんだかカードゲームならちょっとした役がそろいそうな顔ぶれである。
 これだけ通過したにもかかわらず、全制覇には至っていない。JRだったら隣駅まで行ったものの東浦和駅に触れていないし、いとこ的な存在の埼玉高速鉄道の浦和美園駅も残っている。これだけ好き勝手に〇〇浦和駅が増殖してしまっているのだから、ぼくのまだ知らない浦和駅ブラザーズがいてもなんの不思議もない。