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Suica Vs. 硬貨

by 唐草 [2019/12/16]



 今月から最寄り駅の駐輪場が新しくなった。駅に近くなったし、収容台数も増えたし、明るくきれいな建物になった。収容レーンも可動式なので混んでいても簡単に自転車の出し入れをすることができる。様々な改善の中でもっとも現代的な進化は、電子マネーへの対応だろう。いいことずくめの進化であり、ぼくは大いに満足している。
 ぼくの通勤で最後まで現金が残っていたのが、駐輪場の料金だった。電車もバスも、そしてコンビニでの買い物もSuicaだけで済むキャッシュレス生活になっていたのに、旧態依然の駐輪場だけは現金の束縛から抜く出せないでいた。だから、毎日駐輪料金の100円玉をポケットに忍ばせていた。
 そんな20世紀のような生活も、新駐輪場の完成とともに過去のものになった。ICカード1枚でどこへでも行ける近未来的な生活が夢物語ではなくなったのである。
 駐輪場から出るときにゲートの機械に紙のチケットを飲み込ませて、ICカードをピッとタッチさせれば支払い完了だ。スマートな支払いである。でも、ゲートを通過してからの身支度にぎこちなさがあった。まず、ゲートから少し離れたところに自転車を止める。そこでSuicaの入った財布をカバンに戻す。それからコートのポケットに入れてあった手袋を取り出し身につける。これでようやく準備完了だ。なんだかゲートをくぐってからの行動が多い。
 先月まで使っていた有人駐輪場は、前払いだったので帰りはノンストップだった。それに比べると今のぼくは、無駄な行動をたくさんしているように思えてしまう。原因は、手袋と財布とカバンの相性の悪さだ。革手袋をしているとカバンの開閉が難しい。だから、どうしても立ち止まって財布をカバンにしまって、最後に手袋をするという行動になってしまう。
 動作の最適化をすれば、止まらずに駐輪場を去ることはできるはずだ。ぼくは自分の行動を見つめ直した。
 今日はあらかじめ100円玉を用意してゲートに臨んだ。財布はすでにカバンの中だし、手袋も装着済みだ。手袋をしながらチケットを読み込ませるのに少し手間取ったが、コインの投入は楽勝だった。難なくゲートを通過したぼくは、期待通り止まることなく駐輪場を後にした。
 待ちに待った完全キャッシュレス通勤環境だったが、駐輪場をエレガントに通過するにはどうやらSuicaより100円玉の方がに軍配が上がりそうだ。