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不正行為疑惑

by 唐草 [2020/01/19]



 今日もセンター試験が行われていたが、1日目のみの担当のぼくにとっては対岸の火事。試験ミスのニュースは気になるが、自分の担当教室じゃなくてよかったと安堵するばかりだ。
 昨日は間抜けにも鼻水を垂らしながら試験監督を勤めた。つつがなく終わったのだが、内心では不正が行われていたのではないかという疑念が尽きない。カンニングがあったのではない。ぼくが気になっているのは、替え玉受験である。
 監督業務に受験生の本人確認がある。受験票(正確には写真票)に貼られた写真と本人を見比べる仕事だ。この仕事が結構骨の折れる仕事なのだ。
 風邪予防のためにマスクをつけている受験生も多い。また、本人確認は基本的に試験中に行うものだ。多くの受験生は真剣な面持ちで問題用紙を睨んでいるので前からだと顔がよく見えない。だから、場合によってはマスクを外させたり、こちらを向くように小声で指示をする必要がある。
 これでも厄介なのだが、本当に厄介なのは顔を目視してからだ。
 赤の他人の顔写真を一度に100枚も見る機会なんてそうそうあるものではない。多くの写真を見て心の底から思ったことがある。
 「写真写りって個人差が、すごいな」という素直な感想である。
 写真の顔と本人の顔が同じに見えない受験生が数人いたのだ。この問題は、2パターンに分けられる。
 1つは、写真の方が本人よりずっとよく見えるパターン。カメラマンの腕によるところもあるのかもしれないが、本人より目鼻立ちがクッキリしているように見える。
 もしかして修正しているのだろうか?今の高校生なら男女問わずアプリで自分の顔を修正することが普通になっているだろう。あまり過度な修正をすると替え玉受験を疑われてしまうことまで考えが及ばないのか?
 もう1つは、写真が本人よりあまりにもひどい場合だ。数名が、加工に失敗したとしか思えない受験票を持参していた。目が三角形だったり、髪がズラみたいに不自然に浮いているように見える写真だ。しかし、本物は目が三角形だったりはしない。ごく普通の顔。写真写りが悪すぎて本人確認に支障が出るほどに顔が違って見えるのだ。
 写真写りがイケメンすぎるパターンも、ブサメンすぎるパターンも、本当に替え玉受験疑いたくなる。写真写りって錯覚や願望でなく、現実にあるんだなと痛感したのだった。