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スカベンジャーの敗北

by 唐草 [2020/02/05]



 ガラクタだって言うやつもいるけれど、ぼくからすれば宝の山である。
 ゲーム『スカイリム』で似たことを言う商人がいるが、今日のぼくの偽らざる本音である。目の前に転がっているものが鉄くずか、それとも宝の山に見えているかなんて他人からでは分かりっこない。
 ぼくの目の前には、ラックから外された6台ものラックマウントサーバが転がっていた。今日はこのサーバをバラしてお宝を回収しようと企んでいた。
 目の前に突然サーバが転がっていることなんてまずありえない。6台のサーバは、職場で破棄が決定した古い古いモデルである。勝手にくすねたら横領になってしまうのではないか?そう心配する声もあるかもしれないが、杞憂である。
 サーバは既に備品番号を外され、帳簿に存在しないことになっている。あとは、廃棄先の業者を決めるだけという状態。ゴミ箱に向かって投げられた空き缶のような状態なのだ。ぼくは飛んでいる空き缶を空中キャッチして、ジュースの残りをすすろうとしているだけに過ぎない。
 ぼくは、いままでにも様々な職場で破棄が決定して回収業者へ渡すPCを漁ってきた。メモリやハードディスクを抜くこともあったし、本体をそのまま譲り受けたこともあった。データ削除のコストが浮くと言って喜ばれたことさえある。ぼくは、PCに関してはスカベンジャーなのである。欲しいパーツがあったら、まずは誰かが捨てようとしていないか探りを入れるのが基本である。
 いままで様々なPCを漁ってきたが、ラックマウントサーバに触れる機会はなかった。激レアなチャンスにスカベンジャー魂が、メラメラと期待に燃え上がっていた。
 部屋の片隅に古新聞のように重ねて放置されているサーバを開けてびっくりした。想像以上に古かったのだ。部品を確認すると2002年製だった。フロッピードライブがついているのにも頷けるし、すべてのパーツの規格が数世代古い。いくら古いPCをリストアするのが得意なぼくだって、2002年製のサーバを活用するのは無理だ。
 お宝の山だったが、ぼくの手には負えなかった。手ぶらで帰ることになるなんてスカベンジャーの風上にも置けない情けない戦果である。
 なお、サーバは10年以上放置されていたものの動作するものもあった。IBMの耐久性ってすごいな。