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コロナへの期待

by 唐草 [2020/02/27]



 先週まではテレビの向こうの出来事でしかなかったコロナウィルス。その存在感は日を追うごとにハッキリとしてきた。今日は、振り向けば後ろにいるんじゃないかと感じるほどになっていた。
 この変化は、身近な対策が本格化してきたからに他ならない。テレビの向こうで専門家がいくら声を張り上げて危機の到来を叫ぼうとも、テレビ越しに見ている限りテレビの中の出来事でしかないのだ。火の粉が自分に降り掛かってきて初めて、火事が現実であると理解できるのだ。
 ぼくの職場は、通勤ラッシュを避ける時差通勤のお達しがでた。1時間遅い始業で、1時間早い終業となる。また、ぼくのような裁量労働契約者には在宅勤務を奨励している。普段とはまるで異なる柔軟で迅速な決断を下した裏にどんなやりとりがあったのだろうかと勘ぐりたくなるが、まずは英断に賛辞を贈りたい。これで大手を振ってサボれるぞ。 
 ぼくはサボれると喜んでいるが、日本全体を俯瞰したら素直には喜べない。この自粛は、確実に経済を大きく冷え込ませる。ましてやオリンピック中止となれば、バブル崩壊を超える経済崩壊が待っているだろう。どう転んでも後世の教科書に記載されるに違いない。
 確実に惨劇が待っているのだが、それを理解した上でもなおぼくは期待していることがある。
 働き方の大きな転換点が生まれるのではないだろうかと大きな期待を寄せている。それも、政府主導で取り組んでいる「働き方改革」がお遊戯に感じられるレベルの大きな転換となることを願っているのだ。
 まずは労働時間の短縮と時差通勤だ。この2つを実施する企業は増えるだろうそ。その結果、製造業以外の多くの企業が、ほとんど普段と変わらない成果を目の当たりにするだろう。「なんだ、労働時間は6時間で十分じゃないか」と目が覚め、8時間労働の呪縛から解き放されてほしい。
 またテレワークも盛んに叫ばれている。ICT全盛期のこの時代に物理的な場所の価値は、相対的に下がっている。PCでできる仕事なんて、よっぽどの機密を扱わない限りはどこでやっても同じだということに気がつくだろう。
 コロナウィルスのもたらした危機によって、「朝から晩まで馬車馬のように働くべし」という日本に蔓延る旧態依然な悪習が淘汰されることを願ってやまない。