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アポカリプス射的

by 唐草 [2020/03/07]



 ゲーム内のミニゲームは賛否の分かれる要素だ。ゲームにスパイスのような刺激をもたらしてくれることもあれば、唐突に違うゲームを強制されることへのストレスを感じることもある。ぼくはミニゲームが好きではない。ミニゲームのたびに、活字を読みたくて小説を読んでいたら急に挿絵、それもマンガのコマ割りがあるような挿絵が挟まっているのを見たような違和感を覚えている。
 ぼくの好き嫌いとは関わりなく、最近の多くのゲームにミニゲームが収録されている。やらずに済むものは放置することも少なくない。逆に実績の取得条件になっていると無視できない。ミニゲームなんか無視したいのに、無視できない自分に不甲斐なさを感じることすらある。
 今日は某ゲームの実績解除のためにミニゲームに取り組んでいた。ハイスコア更新で解除される実績だったら無視したが、累積スコアで解除されるものだったのが運の尽きだった。
 ミニゲームは、制限時間内にベルトコンベアを流れる的を自分の銃で撃つ射的だった。ハイスコアを狙うわけではないので、上下2段の下段は無視して手堅くスコアを重ねていった。1プレーで4,000点ぐらい獲得できるのだが、目標累積スコアは桁違いの10万点。手堅いプレーでは、あまりにも時間がかかってしまうし、集中力が切れてくると途端にスコアが落ちてしまう。
 効率よくスコアを稼ぐ方法はないだろうか?
 ミニゲームでは的を撃ち抜くことを要求されている。でも内部処理では、的に1ポイントでもダメージが入ると得点になっているようだった。これに注目したぼくは射的会場にライフルではなくて、グレネードランチャーを持ち込んだ。爆風のダメージで的を一気に倒そうという破壊的な作戦である。
 作戦は大成功だった。ステージのどまんなかにグレネードを撃ち込むと、上段の的も下段の的も一網打尽だった。冷静に見るとカオスな絵面だが、そんなことはお構いなしだ。スコアも12,000まで伸びた。
 あとは、何も考えずにグレネードを撃つだけ。慣れてきたらステージのBGMに合わせて画面を見ないでもスコアを稼げるようになってきた。最後には目をつぶって何点出せるかを楽しんでいた。
 ぼくは、キライなミニゲーム要素で独自のミニゲームを楽しんでいたのである。