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全部ベルで済ます

by 唐草 [2020/05/04]



 昨日に引き続きゲームの中のお金の話。
 5月に入ってスマホ版「どうぶつの森」の『ポケ森』で季節のイベントが始まったそうだ。今月もまたしても知人から「手伝え」との司令が飛んできた。どうもヤツは2アカウントを駆使してマネーロンダリングのようにアイテムを受け渡しながら季節のイベントを攻略する方法にハマってしまったようだ。一度楽な方法を知ってしまったら元に戻れないのが人間の性である。
 ぼくも気持ちの良い五月晴れだというのに外出できない生活に退屈を覚えていたので、今月もゲームを手伝うことにした。
 とは言え、いきなりアイテムのロンダリングに参加できるわけではない。まずは普通にプレーして準備をする必要がある。「リンゴが欲しい」とか「サカナが欲しい」とかいったどうぶつたちからのお願いをワガママなお嬢様に使える召使いのようにせっせと叶えていかなければならない。
 果物が必要ならば、森へ出向き収穫をする。虫が欲しいと言われたら、南の小島へ虫取り網を持って走っていく。魚を要望されたら、川や海で釣り糸を垂らすことになる。こうやって狩猟採集民のような生活を繰り返していくのが、『どうぶつの森』の醍醐味だ。
 だが、ぼくは『ポケ森』に対してそこまでの熱意を注いでいない。いかに合理的に無駄なく、同時に取りこぼしなく完璧に季節のイベントを消化していくかしか考えていない。だから、ノスタルジックな小学生の夏休みのように虫取りや魚釣りに時間をかけるつもりなんて毛頭ないのだ。
 その結果、行き着いたのが「すべてをベル(ゲームの通貨)で解決する」というセレブな解決策である。
 必要なものは、すべてプレーヤーのバザーで購入する。たとえ割高な値段で販売されていようとも、購入を臆することはない。安売りしているバザーがあれば、買い占めを厭わない。常に潤沢すぎるほどの在庫を抱えて高速周回プレーを実現している。
 ただ1つだけ誤算があった。自分の村とは異なる特産品が高く売れることに目をつけたところまでは良かったのだけれども、調子に乗ってレモンを買い込みすぎてしまった。500個のアイテム枠の内、80〜90個がレモンで占められている。流石に在庫が重くプレーに支障が出始めている。なんだかセレブと言うより流行に乗りそこねた転売ヤーのような『ポケ森』生活である。