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ドケチビルド

by 唐草 [2020/05/09]



 前々からぼくは自分のことをケチだと考えてきた。しかし、同時に賢い倹約でもあるとも思っていた。無駄な浪費を省き必要最小限の「もの」と「こと」で足るを知る。ケチと呼ぶよりも節制と呼ぶべきだろうと信じてきた。
 でも、どうもそうじゃないような気がしてきてしまった。
 自分自身への見方が変わるきっかけは、他人からの意見ではなかった。なんと自分自身のゲームプレーを顧みてたどり着いた結論なのである。
 ぼくは毎日規則正しく、それが日課であるかのように『Fallout 76』で遊んでいる。キャラクター育成の自由度の高いゲームなので、様々な育成方法がネットで議論されている。力を上げて格闘戦に特化してもいい。集中力を高めてスナイパーになってもいい。素早さを極めて忍者になってもいい。運の良さを極めて確率に身を委ねるギャンブラーになったっていい。その結果、同じ敵に対しても戦い方は十人十色だ。1つの最適解に定まらない多様性のあるゲームバランスは、マルチプレーの際に心地よい驚きをもたらしてくれる。
 他のプレーヤーに触発されたぼくは、数百時間ぶりに自分の戦い方を変えてみようと考えた。これまでの敵を見たらとりあえず殴っておけという筋脳な格闘主体の戦い方を止めて、PVに登場するような大型のマシンガンで敵をなぎ倒すスタイルに変えてみた。
 だが、新しいマシンガンスタイルはまったく楽しくなかった。
 確かにゲーム内最強の呼び声が高いミニガン(銃身がぐるぐる回るデカイヤツ)は強かった。今まで敵を1匹ずつモグラ叩きのように倒していたのとは異なり、打ち寄せる敵を薙ぎ払うように倒すことができた。ペチペチパンチしてきた今までの苦労は何だったのだろうとさえ思えるほど楽だった。
 でも、楽しくはないのだ。
 あまりに楽に敵を倒せてしまうからか?
 そうじゃやない。
 弾の消費が早すぎるからだ。ラスボス相当のレイドに参加すると1回で4,000発ぐらいの弾丸を消費してしまう。この減り方にぼくの心が耐えられなかった。撃っているうちに胸が苦しくなってきてしまった。ぼくにとっては、強さよりも、速さよりも、弾の減りが重要だったのだ。
 このことに気がついたぼくは、自分のケチさに呆れてしまった。しかし、ドケチを満足させてくれる育成ができるのがこのゲームの面白さでもある。