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人生史上最長

by 唐草 [2020/05/17]



 緊急事態宣言が解除された地域も増えたが、東京都はまだ先の見通せない状況下にある。楽観的な見方をすれば、封じ込めに成功して危機は去ったようにも感じられる。一方で懐疑的な見方をすれば、今は宣言解除後に来るであろう第二波が目前にまで迫っている嵐の前の静けさともとれる。どちらが正解なのかは誰にもわからない。ぼくらにできることは、2ヶ月後ぐらいに訪れるであろう正解を知るタイミングまで注意深く行動するだけだ。
 自粛ずくめの生活に辟易している人も多いようだが、ぼくのように元来は引きこもっているべき性質の人間には快適な毎日だ。疲れる通勤も無ければ、面倒な上司に振り回されることもない。始業時間も終業時間もない。ひとり静かに自分のペースで進み続けられる今の仕事環境から日か抜け出さなくてはいけない日が来るかと思うと憂鬱になる。
 遊びに関しても、ぼくはネットとゲームがあれば概ね満足だ。だから娯楽を取り巻く状況は、自粛前と今で何も変わっていない。
 このままずーっと模範的な自粛生活を続けていきたいし、ぼくならそれも可能だと信じていた。しかしながら、ぼくの引きこもりライフは思いもよらぬ理由で頓挫しそうになっている。自分の心と体が一致していないのだ。
 今、ぼくの毛髪は人生史上一番長くなっている。大学生の頃に色々あって長かった時期もあったが、その頃を超える長さとなっている。なにも好き好んで髪を伸ばしているわけではない。自粛生活を続けているとどうしても散髪がハイリスクな行為に思えてしまうのだ。
 ぼくが通っている理髪店も昨今の情勢を見てカットのみの営業になっている。髭剃りで口元に触れるのを避けて安全を担保する営業努力を重ねている。店がどんなに頑張ったとしても、「行く」のと「行かない」のではリスクに雲泥の差がある。どうしても散髪から足が遠のいてしまう。
 だが、いくら散髪を避けていたとしても、髪の毛は勝手に伸び続ける。気がつけば、視界を大きく妨げるし、熱がこもって頭が熱いようなありさまになっていた。これでは、日常生活に影響が出かねない。
 やはりリスクを選ばざるをえないのかも知れない。重い腰をあげ散髪へ向かうか、それとも自分でカットするという大きなリスクを。