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効率プレーの行き着くところ

by 唐草 [2020/06/02]



 ぼくはゲームの中で頑張るのは好きじゃない。昔から何度も死んで攻略法を覚えていくタイプのゲームはキライだった。歳を重ねるごとにその傾向はますます強くなっている。だからフロム・ソフトウェアのゲームは絶対に買わなくなったし、ノーマルではなくてイージー、さらにはベリーイージーを躊躇なく選ぶようになった。ゲームの中ではラノベの主人公のように苦労なく七面六臂の大活躍をしたいのだ。
 だが、何も考えずにボタンを連打してヘラヘラ喜んでいるわけではない。そこだけは勘違いしないで欲しい。
 ぼくは辛い試練に打ち勝って首の皮一枚の差で勝利することは求めてないが、だからと言って創意工夫を放棄したわけではない。現実と同じくように楽をするための努力だったらどんなことでも厭わないのだ。ボスを蹂躙するためのレベル上げは楽しいし、ミスってもそう簡単には死なないゾンビのようなビルドを構築するのも大好きだ。
 自分のアイディア次第で攻略の幅や可能性が広がるのであれば何度でも様々なことを試し続ける。逆に自分の努力ではどうにもならない要素に立ち向かうのは大キライだ。これがぼくをソシャゲから遠ざけている理由である。
 今、ぼくは確率5%の壁にぶつかっている。『Fallout 76』のファスナハトパレードのレア報酬である。現時点で35回チャレンジしているが、まだ1つもレア報酬にありつけていない。報酬の有無は完全に運任せなので、ぼくがパレードで大活躍しようが関係がない。お祭り騒ぎできて楽しいパレードなのだが、ぼく以外の参加者が皆レア報酬の装備を身に着けているのを見ると胸が苦しくなる。なぜ、ぼくだけレアが出ないのかという焦りと悲しさに包まれてしまう。
 運任せの要素に対して工夫する余地は無いのだろうか?沈んだ心のまま陽気なふりしてパレードに参加し続けるしか無いのか?もう心が折れそうだ。
 様々なアプローチを検討した結果、ひとつの結論に至った。
 放置である。
 マルチイベントなのでぼくが何もしなくても誰かがクリアしてくれる。先の見通せないゲームに鬱々とした気持ちで参加するのは辛いのでログインだけして放置すればいいのだ。
 これは楽でいい。そう思う反面、それでレア報酬をゲットして嬉しいのかという疑問も残る。なお、まだ報酬は出ていない。