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変わらぬ体温

by 唐草 [2020/06/08]



 6月も同様に在宅勤務となったのだが、緊急事態宣言下の5月とは少しばかりルールが変わった。なんと厳しくなったのだ。先週末より在宅勤務であっても毎日体温を報告するようにとのお達しが出たのである。どうしても今更感が拭えない。幸い職場でのコロナ感染者は出ていないが、遅きに失するとはこのことではなかろうか?5月から取り組むべきだったように思えてならない。
 職員専用サイトの特設コーナーに体温報告フォームが実装された。どうやらこれがタイムカード的な役割も果たしているようだ。事務的な意味合いが強いシステムなので、体温はあくまで自己申告で数字を入力するだけ。自己申告以外にやり方がないのは重々承知しているが、ITの活用事例としてはお粗末である。せめて体温計の写真を一緒にアップするなど証拠を確保するやり方はできなかったのだろうか?
 始業前の体温報告が義務付けられた職場は多いようである。でも、朝の忙しい時間に検温のために多くの人員を割くことはできないし、検温係を介して感染を広げてしまうリスクも有る。だから、多くで自己申告が採用されていると聞いた。
 その結果起きるのは、体温測定の形骸化である。平熱なんて毎日一緒だ。計らなくたっておよその値は分かる。だから、顕著な自覚症状が現れない限り測定せずに体温を申告してしまうだろう。ぼくの職場のシステムもその危険性を大いにはらんでいる。
 あと、我が家の体温計が昔ながらの水銀式体温計だということが毎日の体温報告と相性がすこぶる悪い。最先端の非接触型体温計は1秒もかからず測定を行える。でも、水銀式だと5分もかかってしまう。自覚症状もないのに毎日5分もの検温時間を用意するのは面倒だ。脇にガラス製の繊細な温度計を挟むので、行動が制限されてしまう点も悪い方へと働くに違いない。
 きっとぼくも無責任に測定を行わず体温を申告してしまう日が来るのだろう。先週1回目の申告を行ったときからそう考えていた。
 そして、週が開けた。体温測定のことを思い出したのは、陽が少し傾きかけた時分であった。今からの報告は、始業報告ではなく終業報告になってしまう。それでも、申告しないとまずいのかな?1日元気に過ごせたんだから別に計らなくてもいいよね?システム開始3日目にして既にこの気分である。
 まぁ、計って先週と同じ値を報告したけど、徒労感が半端ない。