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肌寒い7月

by 唐草 [2020/07/16]



 7月ってもっと暑かったと思うんだけどなぁ。在宅勤務で自宅にこもったままの毎日が続いているので、暑さに気がついていないのだろうか?そんなことはない。
 梅雨の長雨がずっと居座っているせいで鬱陶しい天気が続いている。どこまでも続く巨大な雨雲が太陽を覆い隠しているので気温の上昇が鈍くなるのは仕方がない。でも、それだけではこの涼しさを説明できないような気がする。北からの冷たい風が入ってきているのではないだろか?窓の外に顔を出しても、そこに夏の欠片を感じることができない。
 例年この時期だったら半袖が基本だ。外に出るときは熱中症を気にして保冷剤を首に巻いたり、塩飴を舐めているはずだ。仕事に行くときだけは仕方なく長ズボンを履いているが、家にいるときは短パンで見苦しい姿を晒している。冷房だってガンガン使っているし、アイスだって美味しく食べている。冷えた素麺ののど越しを楽しむ日だってあるはずだ。
 だが、今年はどうだろう。6月後半に30℃を超える日もあったが、7月に入ってからは涼しい日が続いている。自宅で仕事をしているぼくの装いは、薄手とは言え長袖長ズボンだ。寝るときだって長袖長ズボンのまま。夏用の半袖半ズボンの寝間着に数度袖を通した日もあったが、寒さで目が覚めて以来ご無沙汰している。特に明け方の冷え込みが顕著な気がする。だから、ぼくのベッドには7月だと言うのに毛布が敷かれたままになっている。夏の日差しを避けるために買ってきた簾だって、ビニールに包まれたまま長いこと床に置かれている。
 ありとあらゆる物が、夏の一歩手前で足踏みをしているようだ。果たして、この7月らしからぬ涼しい天気はいつまで続くのだろう?
 35℃を超えて熱中症に怯えながら日陰を選んで進んでいく毎日よりは、今年の涼しい気候のほうが楽だ。それでも冬より夏が好きなぼくとしては、一抹の寂しさを覚えずにはいられない。暖冬は素直に喜べるが、冷夏は歓迎できない。農業などへの影響も懸念されるが、もっと個人的な理由である。なんだかんだ言っても夏は夏らしくスカッと晴れて暑いほうがいい。
 暑ければ暑いで文句を言うし、涼しければ涼しいで文句を垂れる。人とはワガママなものである。